「ひげ生やすのは個人の自由」人事の低評価に賠償命令

「ひげ生やすのは個人の自由」人事の低評価に賠償命令 | NHKニュース

無精ひげとかの見苦しい状態じゃなければいいと思うがね・・・


2019年1月16日 17時27分

大阪市営地下鉄、現在の大阪メトロの運転士らがひげを生やして勤務していることを理由に、最低の人事評価にされたのは不当だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は「ひげを生やすかどうかは個人の自由で、人格的な利益を侵害し違法だ」として、大阪市に40万円余りの賠償を命じました。

「ひげ生やすのは個人の自由」人事の低評価に賠償命令
「ひげ生やすのは個人の自由」人事の低評価に賠償命令

この裁判は3年前、当時の大阪市営地下鉄の運転士、河野英司さん(56)ら2人が、ひげを生やして勤務していることを理由に、人事で最低評価にされたのは不当だと訴えて、大阪市に賠償を求めたものです。

大阪市交通局は、平成24年に男性職員にひげをそるよう求める「身だしなみ基準」を設けていて、裁判ではこの基準の是非などが争われました。

16日の判決で大阪地方裁判所の内藤裕之裁判長は「清潔感を欠くとか、威圧的な印象を与えるなどの理由から地下鉄の乗務員らにひげをそった状態を理想的な身だしなみとする基準を設けることには必要性や合理性があるが、この基準はあくまで職員に任意の協力を求めるものだ」と指摘しました。

そのうえで「ひげを生やすかどうかは個人の自由で、ひげを理由にした人事評価は人格的な利益を侵害し違法だ」として、大阪市に慰謝料として40万円余りを支払うよう命じました。

原告「勝訴でき素直にうれしい」

判決を受けて原告の河野英司さんは会見を開き、「ひげは自分を表現するもので、そると自分ではなくなってしまう。勝訴できて素直にうれしいし、ほっとしている。この判決を真摯(しんし)に受け止め、公正な評価をしてほしい」と話していました。

また弁護団長の村田浩治弁護士は「原告の主張をほぼ認めた、完全勝訴だ。今、労働者に対する業務上の拘束が強調される中で、ひげを含めた個人の外観、人格的な利益は非常に尊重されるべきだと、従来の判例を確認したと評価できる。判決は今後も私生活に制約を及ぼす行為をしてはだめだと警鐘を鳴らすものだ」と述べました。

大阪市「内容を精査し対応を検討」

判決について大阪市は、「内容を精査し、大阪メトロや弁護士と調整のうえ対応を検討したい」とコメントしています。

ひげ禁止の身だしなみ基準を新設

大阪市交通局では職員の服装や髪型などで地下鉄の利用客などに不快な思いをさせないようにと、平成24年に「職員の身だしなみ基準」を新たに設けました。

この中で男性の職員については、「ひげは伸ばさずにきれいにそること。整えられたひげも不可」としていました。

大阪市営地下鉄は去年、民営化しましたが、現在の「大阪メトロ」では、身だしなみの基準は設けていないということです。

「ひげ禁止の規則がある以上従わざるをえない」

平成27年に河野さんが上司との面談を録音した音声データには、ひげを生やしていることの人事評価への影響についてやり取りした内容が記録されています。

この中で河野さんが「前回の人事評価では、ひげが理由で2項目下げられているじゃないですか」と抗議したのに対し、上司は「身だしなみ基準をなんべんも守らないとなったら、僕らやっぱり下げなしゃあないわな」と、ひげを理由に低い評価にしたともとれる発言をしています。

さらに河野さんが「今回の人事評価も下げるつもりですか」と質問すると、上司は「身だしなみのところ守ってくれへんかったらしゃあないわな。僕らはこれに従っていくだけやんか。あの身だしなみ基準を守ってくれへんかったら、人事考課下げますよと。僕らこれ守りなさい言われてる、しゃあないやんか」と答え、ひげを禁止する規則がある以上、従わざるを得ないとする説明をしています。

男性3割「生やしたい」

大手電機メーカーの「パナソニック」は、おととし定職に就く20代から30代の男女500人を対象に、「職業と男性の身だしなみ」という調査をインターネットを通じて行いました。

それによりますと、全体の44%が「現在の職場は男性の身だしなみに厳しい」と回答し、男性の28%は「もっと緩和してほしい」と答えています。

そして、男性の31%が「職場にひげを生やして出勤したいと思った経験がある」としています。

またひげを生やしても問題ないと思う職種を尋ねたところ、デザイナーなどの自由な発想が期待されるクリエイティブ職は50%の人がOKと答えた一方、取引先など外部の人とやり取りがある営業職は58%がふさわしくないといった回答をしました。

調査に協力した美容ジャーナリストの加藤智一さんは「欧米では個性が重要視されるため、ヒゲなどが本人のスタイルの一部と見なされています。しかし、日本では個性よりも身だしなみとしての清潔感が尊重されるため、ヒゲで個性を出すのであれば、清潔感を維持しながらも、周囲に受け入れられ、社会になじむようなスタイルを考えていくことが大切です」と話しています。

情報源:「ひげ生やすのは個人の自由」人事の低評価に賠償命令 | NHKニュース


まぁ、さすがに襟にかかるような髭は論外だが。
あと、人事も社内規定に従って判断しているわけで・・・