ふむ・・・
【勝負師たちの系譜】
★竜王戦(4)
竜王位の行方を決める最終第7局は、山口県下関市の『春帆楼』で行われた。ここは、「ふぐ料理公許第一号」として知られる老舗の料亭だ。
それにしても来ない可能性のあるこの第7局を、下関市がよく誘致したものと私は思った。もっとも今回は、羽生善治竜王が勝てば、タイトル通算100期となる上に、敗れれば27年ぶりの無冠となる大一番だけに、注目度は最高潮。報道陣も前局より倍以上来たから、結果的には大当たりだった。
将棋は第4局までと同じ、角交換腰掛銀となり、先手の広瀬章人八段が駒損で攻め、羽生が受けに回る展開となった。
2日目の昼食休憩までは、どちらが勝つかわからない戦いといわれていたが、午後から夕方になるにつれ、広瀬の優勢がハッキリしてきた。
羽生は必死の勝負手を繰り出すが、広瀬の応手は正確で、羽生を追い詰め、最後は鮮やかな即詰めで羽生を投了に追い込んだ。
広瀬にとっては初の竜王位であり、タイトル獲得としては2010年の王位に続いて、2度目である。
今回は羽生の大記録がかかっていただけに、羽生が負けたという報道ばかりが目立ち、普段将棋界の情報を見ない人は、誰が勝ったかわからないという人が私の周りに何人もいた。
昔のゴルフの石川遼選手の報道の時と、同じものを感じたのは私だけではあるまい。
これで羽生は今期、名人戦挑戦、棋聖戦と竜王戦防衛で、タイトル戦を3連敗し、タイトル通算100期の記録を逃し続けてきた。
今後羽生に、もう一度チャンスはあるかと聞かれた私は「挑戦者になれば、獲得する可能性は大。しかしその挑戦者までが大変」と答えた。
現在一番の可能性は、今トップ集団にいる名人戦の挑戦者を決めるA級順位戦で、注目したい。
広瀬は世間が、羽生の100期を見たいと思うアウェーの雰囲気の中、得意の終盤力を生かして勝ち切ったが、最近はいつの間にかプロ棋士のレーティングで、1位になっている。豊島の時もそうだったが、やはり数字は裏切らないものということを、改めて感じた次第である。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:竜王戦、“数字”の確かさ証明した広瀬八段の勝利 勝負師たちの系譜(夕刊フジ) – Yahoo!ニュース(コメント)
情報源:【勝負師たちの系譜】竜王戦 “数字”の確かさ証明した広瀬八段の勝利 (1/2ページ) – zakzak
ほぉ・・・