漫画発・ネット経由で女流棋士に ポーランド出身・カロリーナ女流1級が奮闘中

漫画発・ネット経由で女流棋士に ポーランド出身・カロリーナ女流1級が奮闘中 | AbemaTIMES

ほぉ・・・


距離にして8500キロ離れたポーランド・ワルシャワから、単身で将棋の道を進んでいる女性がいる。カロリーナ・ステチェンスカ女流1級(27)だ。2017年2月に女流2級となり外国人として初の女流棋士となった時には、各種メディアで大きく取り上げられた。あれから早2年近くが経過したが、一歩ずつ前に進み、その戦いぶりを世界へと届けている。漫画で将棋を知り、ネットでつながり、1人で来日してから5年が経過した。改めてカロリーナ女流1級の、将棋のルーツを聞いた。

まだ「将棋」も「Shogi」も知らなかったカロリーナ女流1級が、初めて将棋に触れたのは人気漫画・アニメ「NARUTO -ナルト-」から。海外でも人気の作品に将棋が出てきたことに興味を持ったことは、女流棋士になった時にも各メディアで多数報じられた。「(読んだのは)16歳の時ですね。最初はアニメからで、そのあと漫画を読んで」。ポーランド語で「ヤポンスキー・シャッヘ」、英語なら「ジャパニーズ・チェス」。インターネットで検索し、ルールを覚えた。その後、ワルシャワのカフェで将棋仲間が集まるミーティングに参加し、お手製の盤と駒で楽しんでいた。

ネット将棋「81Dojo」で世界の人々と対局を重ねた。日本だけでなくヨーロッパ、南米など、世界中に将棋ファンがいた。ここでのイベントで出会ったのが北尾まどか女流二段だ。「一緒に指すことができまして。それからお話をして、女流棋士になりたいという話をしたら、『すぐに日本に来てください』と言われました」と、当時高校生だったカロリーナ女流1級は興奮した。

ただ、ここからすんなりと来日まで進んだわけではない。まず、このインターネット上で知り合った遠い日本の女流棋士というものを、どう家族に説明するか。そもそも将棋すら知られていないだけに、簡単ではなかった。81Dojoを運営していた川崎智秀さんに通訳に入ってもらい、母に相談した。カロリーナ女流1級自身も、北尾女流二段や川崎さんとはネットでつながっているだけで、直接の面識もない状況。その後もメールでのやりとりを繰り返したが「私がお母さんの立場だったら、絶対に(来日を)許さないですね」と笑った。

こうして北尾女流二段とネット経由でつながり、来日するまでに数年の時が過ぎた。2011年の夏には2週間という短期の「将棋留学」を経験、徐々に日本との距離を縮めていった。2013年10月、ポーランドで通っていた大学に区切りがついたタイミングで、単身来日。山梨学院大学に通いながら、将棋の研究に励んだ。師匠の片上大輔七段にも公私の面倒を見てもらっているが、1つ印象深い出来事がある。

アマチュア時代、マイナビ女子オープンに参加した時のことだ。2回負けたら敗退の中で、カロリーナ女流1級と対戦相手が、共に1敗同士でぶつかった。結果は勝利したが、直後に相手が泣き出した様子を見て、なんとカロリーナ女流1級も「ランチタイムで思い出して、泣いてしまったんです」。その優しさが伝わる様子に「師匠は心がいいと言ってくれました。泣くのは悪いことではないと」と、その場面を思い返した。

日本では近年、藤井聡太七段の活躍や、羽生善治竜王の大記録など、改めて認知度や人気を高めた将棋だが、ポーランドをはじめ世界各国ではまだまだ。今回参加する女流棋士による超早指し棋戦には、女流棋界の第一人者・里見香奈女流四冠も登場する。見事に勝ち抜き、優勝するようなことがあれば「日本で活躍するポーランド出身の女流棋士」として、きっと母国でも大きな話題になるはずだ。

◆女流AbemaTVトーナメント 持ち時間各7分、1手指すごとに7秒が加算される、チェスでも用いられる「フィッシャールール」を採用した女流棋士による超早指し棋戦。推薦枠の女流棋士、予選を勝ち抜いた女流棋士、計8人がトーナメント形式で戦い、1回の対戦は三番勝負。優勝者は、第1回大会で藤井聡太七段が優勝した持ち時間各5分、1手指すごとに5秒加算の「AbemaTVトーナメント」に、女流枠として出場権を得る。

情報源:漫画発・ネット経由で女流棋士に ポーランド出身・カロリーナ女流1級が奮闘中(AbemaTIMES) – Yahoo!ニュースコメント

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