ふむ・・・
将棋の女流棋士が、男性の棋士らとの公式戦で例年以上の活躍を見せている。今年度は既に過去最高の14勝をあげており、さらに記録を伸ばす可能性がある。女流将棋界のレベルの向上を印象づけている。躍進する女流勢の筆頭は、6勝を挙げている里見香奈女流四冠(26)だ。朝日杯将棋オープン戦では、元タイトル保持者の福崎文吾九段(59)に勝つなど2勝した。王座戦でも3連勝。11月30日の増田裕司六段(47)戦に勝てば1次予選決勝進出だったが、惜敗した。
里見は今年3月まで奨励会に在籍し、女流棋士の活動を続けながら「棋士」を目指していた。奨励会退会を機に、棋士が出場する公式戦に女流棋士枠として出るようになった。「ミスが目立っているので、力不足を痛感している」と語る一方、「今は将棋を指していて楽しい。前より伸び伸びとした気持ちで臨めていると思う」と話す。今後も竜王戦、棋王戦などの予選を控えている。
■17年度は1勝だけ
来年1月に開幕する女流名人戦五番勝負で里見と戦う伊藤沙恵女流二段(25)は、朝日杯などで4勝している。「4勝もできて自分も驚いている。男性の棋士が相手だと、こちらはぶつかっていけばいいので、良い状態で臨めているのかな」。新人王戦では、昨年まで2連覇した実績がある増田康宏六段(21)との対戦が決まっている。
伊藤の師匠の屋敷伸之九段(46)は「男性の棋士、奨励会員に中終盤のねじりあいで勝っているので、強くなったと思う。最近は、寄せに向かうところが素早くなったと感じる」と分析する。
公式戦における年間の女流棋士の勝利数は、2004年度の11勝が過去最多だった。17年度は、加藤桃子奨励会初段の3勝を除くとわずか1勝。今年度の伸びは里見の出場が大きな要因だが、女流将棋界全体の層が厚くなっていることも確かだ。
■棋士との鍛錬、背景
女流棋士が力をつけた背景には、棋士や奨励会員との日頃の鍛錬がある。畠山鎮(まもる)七段(49)は、里見が奨励会員の頃から練習対局を続けている。「普段指していて、その研究の深さは怖さを感じるほど。技術的には棋士と比べて申し分のない強さで、もっと勝っていいぐらいだと思う」
持ち時間5時間の王座戦で3連勝するなど、男性の棋士に4勝している渡部愛(まな)女流王位(25)は、2年ほど前から野月浩貴(ひろたか)八段(45)の指導を受けている。共に北海道出身という縁もあり、渡部が依頼して始まった。
野月によると、2人は「スポーツ選手とコーチ」の関係に近いという。直接対局するよりも、渡部が指した将棋や課題の局面の分析、駒を動かさずに先の展開を正確に読む訓練などに多くの時間を割く。体力をつけるために必要な食事や運動などの助言もする。野月は「プロフェッショナルとしての意識が高くなった。時間をかけて考えると精度の高い将棋が指せるので、持ち時間の長い将棋で成績が良いのだと思う」とみる。
渡部は「野月先生の影響で、将棋に対する普段の意識も変わった。男性の棋士と指すと、自分自身にない構想や考え方が対局を通じて伝わってくるので、とても勉強になる」と手応えを語る。王座戦では、1次予選決勝進出をかけて佐藤秀司七段(51)と対戦する。(村瀬信也)
■2018年度の公式戦で勝った女流棋士と、相手の棋士・奨励会員
◎里見香奈女流四冠(6勝7敗)
村田智弘六段(棋聖戦)
増田裕司六段(朝日杯)
福崎文吾九段(同)
浦野真彦八段(王座戦)
島本亮五段(同)
長沼洋七段(同)
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◎渡部愛女流王位(4勝3敗)
木下浩一七段(王座戦)
泉正樹八段(同)
門倉啓太五段(同)
川上猛七段(王位戦)
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◎伊藤沙恵女流二段(4勝4敗)
小林宏七段(朝日杯)
近藤正和六段(同)
所司和晴七段(王座戦)
斉藤優希三段(新人王戦)
※加藤桃子奨励会初段もNHK杯で1勝している。
情報源:女流、のびのび躍進 公式戦、過去最高の勝ち数 将棋:朝日新聞デジタル
村)今日の夕刊の記事です。女流棋士が今期、朝日杯や王座戦などで男性の棋士を次々と破っています。里見香奈女流四冠は春に奨励会を退会しましたが、その後女流棋士枠で公式戦に出場し、6勝。「今は将棋を指していて楽しい。前より伸び伸びとした気持ちで臨めていると思う」https://t.co/NOEkME4rLs
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) December 13, 2018
「奨励会は相手の個性を潰す将棋」って某棋士が言ってたな。
https://youtu.be/3DW9RZHJ5Pg?t=253