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福島県南相馬市の遺跡から、縄文時代の終わりごろのものとみられるくるみの実が数百個入ったかごが出土しました。この時代のものがほぼ完全な状態で見つかるのは全国でも例がなく、当時の暮らしを知る貴重な資料として注目されています。
福島県南相馬市鹿島区にある鷺内遺跡では、去年10月からことし6月にかけて市の発掘調査が行われ、およそ3000年前の縄文時代晩期を中心に使われていた沸き水をためるために作ったとみられる穴から、かごやざるのようなものが12点見つかりました。
このうち、竹やササを編んで作られた縦およそ30センチ、横20センチのかごには、当時の主食の1つとされるオニグルミの実が数百個入っていました。
市の教育委員会によりますと、かごもくるみの実もほぼ完全な状態で、かごは底の部分の編み方が粗いのに対し、縁の部分は細かく編み込まれて丈夫になっていて、かごをひっかけるためとみられる結び目も確認できるということです。
縄文時代のかごやざるは全国の遺跡で出土していますが、これほど良好な状態を保っているのは全国でも例がないとしています。
このほか、穴の底に敷かれたような状態のかごもあり、木の実などを保管する以外にも湧き水をろ過するために使われた可能性もあるということです。
南相馬市教育委員会文化財課の川田強係長は「かごの作り方や使い方もいくつかあり、当時の人たちの暮らしを知る貴重な資料だ」と話しています。
専門家「当時の暮らしが分かる貴重な発見」
今回の発見について、縄文時代が専門で明治大学の阿部芳郎教授は「かごを分析することで、当時どのような植物を利用していたのかや編み方などの研究が進み、土を分析することで、そこに含まれる花粉などから遺跡の周りにどのような木が生えていたのかが分かる。今回の発見は、当時の人たちの暮らしを知るうえでも貴重な発見だ」と話しています。
また、「縄文時代の人たちは、くりやくるみのような木の実をよく食べていたことが分かっていて、大量に採集したくるみを一度に食べてしまわないできちんと保管していた。今回見つかったくるみはとても実が大きいので、そのような実がなる木を管理していていたことがうかがえ、当時の人たちが森をどのように利用していたかがよく分かる」と指摘しています。
情報源:縄文時代のくるみ入りかご 完全な状態で見つかる 福島 南相馬 | NHKニュース
すげぇ。