芽が出る前に消費しろって話ではあるがな。
「ゲノム編集」と呼ばれる最新の遺伝子操作技術を使って生産された農作物などを食品として流通させる際のルールを検討する国の専門家会議が開かれました。出席した消費者団体の代表は「不安があり、国などに届け出る新しい制度が必要だ」と訴えたのに対して、研究者からは「必要以上に不安に思う必要はない」などの意見が出されました。
「ゲノム編集」は遺伝子を操作する最新の技術で、収穫量が増えるイネや大きくなるマダイなど農林水産業の分野で応用に向けた研究が急速に進んでいて、国は食品として流通させる際のルールを検討しています。
19日は厚生労働省の専門家会議が開かれ、消費者団体や研究者から意見を聞きました。
この中で消費者団体の代表は「一般の消費者は食品にすることに不安を感じる人が多いはずだ。ゲノム編集を使った食品は、国に届け出るなどの新しい制度を作り、消費者が把握できる仕組みが必要だ」などと厳しい規制を行うべきだと訴えました。
一方で、植物の品種改良が専門の研究者は「ゲノム編集をしたあとに遺伝子の解析などを行えば、安全がどうかは判断できるので、必要以上に不安に思う必要はない」と話しました。
専門家会議は19日の意見なども踏まえて、来月にもルールの在り方について方針をまとめることにしています。
ジャガイモの芽 取り除く必要なくなる!?
ゲノム編集を使って生産された農作物や水産物などを食品にしようという取り組みは、国内や海外でさまざまなものが行われています。
このうち国内では、収穫量が増えるイネや、病気の予防にもつながる成分を含んだトマト、身が多いマダイ、食中毒を起こさないジャガイモなどが続々と誕生しています。
大阪大学大学院の村中俊哉教授の研究グループは食中毒を起こさないジャガイモを開発しています。
ジャガイモは芽が出たときに「ソラニン」という物質ができて食中毒の原因になります。そのため、芽が出たジャガイモを食べるときには芽の周りも取り除いて調理します。
グループではゲノム編集を行い、「ソラニン」という物質を作り出す酵素の遺伝子を操作してその働きを失わせたジャガイモを作り出しました。
できたジャガイモは「ソラニン」の量が100分の1以下まで減り、食中毒を起こさないということです。そのため、芽が出ていても、その周りを取り除く必要がなくなりました。
このため、これまでジャガイモを収穫したあとに、芽が出ないように温度などを管理した倉庫で保管する必要がありましたが、そうした管理が必要なくなり、大幅なコストダウンにつなげることができるとされています。
村中教授はこの技術は社会に大きく役立つものなので必要以上に厳しく規制することはよくないとしたうえで、「食べ物である以上、消費者が安心して食べられることがいちばん大切だ。私たち研究者が安全性を追求し、技術について丁寧でわかりやすい説明をすることがなにより重要だと思います」と話していました。
情報源:「ゲノム編集」使った農産物 流通ルールを検討 | NHKニュース
はぁ・・・