(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:3 「意表つこう」秘策、増田リベンジ:朝日新聞デジタル

ふむ・・・


竜王戦で藤井聡太七段(左)に勝った増田康宏六段=6月29日、東京都渋谷区
竜王戦で藤井聡太七段(左)に勝った増田康宏六段=6月29日、東京都渋谷区

「こちらが勝てたのは、相手に気の緩みがあったからでは」

関東の有望株の増田康宏六段(21)は、6月29日の藤井聡太(そうた)七段(16)との対戦について、そう謙虚に振り返る。

東京都渋谷区の将棋会館で行われた、竜王戦の挑戦権を争う決勝トーナメント2回戦。増田は「何としても勝ちたい」という思いで臨んだ。昨年、このトーナメントで藤井に敗れ、「公式戦29連勝」を許していた。

本局の6日前に収録があった早指しの非公式戦でも2連敗。「コテンパンにやられた」。だが、屈辱が糧となる。「竜王戦では、序盤で意表をつこう」

目をつけたのは、藤井が3月に井上慶太九段(54)と対戦した時の将棋だ。ベテランの井上の得意戦法である「矢倉」に、藤井は敗れていた。人工知能の進歩に伴う戦術の変化もあり、矢倉はここ数年、公式戦での登場が減っているが、「今回の勝負では有効」と増田は考えた。

「秘策」は的中した。序盤から押し気味に進め、優勢に。藤井に粘られたが、押し切った。

「去年、負かされていたので、今回はリベンジしたいと思っていた。勝てて良かった」

増田は対局後、取材陣の質問に対し、静かな口調で答えた。

2014年に16歳でプロになり、16年から新人王戦を2連覇。将来の「名人候補」と言える存在だ。昨年、藤井に敗れはしたが、「追い抜かれた」という実感はなかった。だが、藤井が今年1月に朝日杯将棋オープン戦で佐藤天彦名人(30)に快勝した将棋を見て、衝撃を受けた。「最初から最後までミスがない。自分より格上」。今は、年下の藤井に一目置いている。

藤井にとって、増田に敗れた将棋は苦い記憶だ。「序盤、中盤と鋭い手を指されて、対応できなかった。多くの手を読まされて、『思考コスト』という観点から、苦しい展開だった」

冒頭の増田の言葉を伝えると、「それは全くないです」。

苦笑いしながら、首を横に振った。=敬称略(村瀬信也)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)番外編:3 「意表つこう」秘策、増田リベンジ:朝日新聞デジタル



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