ほぉ・・・
2016年9月3日。いつもの土曜日とは違い、将棋会館(東京都渋谷区)には午前中から報道陣が詰めかけていた。「史上最年少棋士」の記録が62年ぶりに更新されるかどうか、大きな関心を集めていた。
成績上位2人がプロ入りできる、棋士養成機関「奨励(しょうれい)会」の三段リーグ戦の最終日。午前と午後の2戦を残して、プロの座を巡る争いは混戦模様だった。
藤井聡太(そうた)(27位) 12勝4敗
池永天志(たかし)(5位) 12勝5敗
大橋貴洸(たかひろ)(1位) 11勝5敗
甲斐日向(ひゅうが)(7位) 11勝5敗
(池永は午後が抜け番)
聡太は1番手だったが、初参加のため前期成績で決まる三段での序列は29人中27位と低い。規定上、勝敗が並んだ場合は、序列が高い三段が上位となる。一つも負けられない。
午前9時、プロの公式戦も行われる4階の和室「銀沙(ぎんさ)」と「飛燕(ひえん)」で、対局が始まった。緊張するのが当然と思える舞台だが、聡太は違った。
「もちろん四段に上がりたいと思っていたが、特に気合を入れて臨んだわけではなかった」
地元の愛知県にいた師匠の杉本昌隆七段も、不安は感じていなかった。
「これまでの勝負強さから考えても、逃さないだろう」
だが、そうは問屋が卸さなかった。当時14歳の聡太は10歳上の坂井信哉(しんや)に熱戦の末、敗戦。午後の最終戦に勝っても、昇段できない可能性が出てきた。しかし、さらに意外な展開が待ち受けていた。大橋は勝ったが、池永、甲斐の2人が敗れたのだ。この結果、聡太は最終戦に勝てばプロ入りできる状況になった。杉本は「強運だな、と感じた。最終戦こそ勝つだろうと思った」と述懐する。
最後の相手は、女性で初めての「棋士」を目指す西山朋佳(ともか)。対戦が決まった半年前から、嫌な予感がしていたという。
「藤井君が昇段を決める時の相手は、自分かもしれない」
午後2時、決戦の火ぶたが切られた。
=敬称略
(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)修業編:14 三段リーグ、プロ入り争いは最終戦へ:朝日新聞デジタル
村)今日の朝刊の記事です。三段リーグ戦の最終日、昇段を目前にして藤井聡太三段は黒星を喫します。最終戦の相手、西山朋佳三段は以前から嫌な予感がしていたそうです。
(大志 藤井聡太のいる時代)修業編:14 三段リーグ、プロ入り争いは最終戦へ:朝日新聞デジタル https://t.co/arp7lIwQJN— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) October 14, 2018
へぇ・・・