(大志 藤井聡太のいる時代)修業編:11 広い視野と我慢強さ、年上の三段を次々倒す:朝日新聞デジタル

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藤井は△6六桂の銀取りを急がず、△1四歩と指して▲1五銀を防いだ=池永四段の棋譜から
藤井は△6六桂の銀取りを急がず、△1四歩と指して▲1五銀を防いだ=池永四段の棋譜から

プロ棋士養成機関「奨励会」で、プロ入りの最終関門となる第59回三段リーグ戦(2016年4~9月)に、藤井聡太(そうた)七段(16)は中学2年で参加した。突破できるのは上位2人だけの狭き門。関東と関西の奨励会から計29人が名を連ねた。

当時、奨励会で世話役の「幹事」だった山崎(やまさき)隆之八段(37)は「年長の強い三段と比べると少し差がある。今回勝ち越せば、次回は本命」と予想した。

だが、聡太は予想を覆して白星を積み重ねた。特に関西勢には大きく勝ち越した。

敗れた池永天志(たかし)三段(25)=現四段=は「きれいに一手余して負かされたが、当時は、まだ、むちゃくちゃに強いという感じではなかった」。中盤で端歩を突かれた手に感心したという=図。「盤面全体を見ていて視野が広いなあ、中学生でこんな手を指せるのか、と」

桝田(ますだ)悠介三段(25)も敗れたが、「見えない角度から(指し手が)来るようなところがあった」。冨田誠也三段(22)は「中飛車戦法」で敗れた。「我慢比べの将棋になった。中学生と我慢比べで負けたのはショックだった」

一方、関西勢唯一の白星を挙げた西田拓也三段(27)=現四段=は得意の「四間飛車戦法」で戦った。それでも「藤井さんはなかなか決め手を指す機会を与えてくれなかった。粘り強く、容易には崩れない印象です」と評する。

聡太は11勝1敗と関西勢を圧倒。対局した若者たちは、強さを認める一方で「その後、プロ棋戦で29連勝するとは予想できなかった」とも。関東勢には2勝4敗と苦戦し、通算成績は13勝5敗だった。

この結果について聡太は「たまたまというのが、一番近いと思います。強いて挙げるなら、関東の人とは初対面なので緊張したというのはあるかもしれません。でも、やっぱり、たまたまだと思います」と振り返った。

=敬称略(佐藤圭司)

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)修業編:11 広い視野と我慢強さ、年上の三段を次々倒す:朝日新聞デジタル


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