段位と年齢は、藤井聡太(当時奨励会三段 13歳)とかにしとけばいいのに・・・
2016年4月、中学2年になった藤井聡太(そうた)七段(16)は、棋士養成機関「奨励会(しょうれいかい)」でプロ入りを争う三段リーグ戦の開幕を控えていた。
愛知県在住の聡太は関西奨励会で腕を磨いたが、他の三段の多くは20歳前後で、あまり面識がなかった。だが、中には、その強さを肌身で感じていた人もいた。
プロアマ問わず、見知らぬ人同士がネットで対局できる「将棋倶楽部24」というサイトがある。15年、ある匿名のプレーヤーが実力を急上昇させ、注目を集めていた。謎の強豪の正体が、聡太だった。
このサイトは、各自の実力が点数で示されるのが特徴だ。勝てば点数が上がり、負けると下がる仕組みで、その時々の実力が明確に示される。
聡太は小学2年で指し始めた。当初はアマ有段者クラスの2千点ほどだったが、中学1年で奨励会二段の頃には3千点に到達。プロ並みの高い点数だ。
「藤井二段が、ネットで対局しているらしい」。評判を聞きつけた一部の奨励会員やプロは、聡太に対局を挑んだ。遠山雄亮(ゆうすけ)六段(38)も、その1人だ。
ある時、終盤戦で勝利を意識した局面を迎えた。しかし、全く予想していなかった手を指され、遠山六段の玉将は「詰み」に追い込まれた。「あまりに鮮やかで、負けた悔しさより感動を覚えた。何回か対局したが、一度も勝てなかった」
このサイトではトップクラスの強さになっていた聡太だったが、三段リーグ戦が開幕する頃にはネット対局をやめていた。
「ネットで対局すると、点数を気にしすぎてしまう。負けた後、『勝つまでやめないぞ』と思って指し続け、150点ほど下げたこともあった。もう少し落ち着いて将棋に取り組んだ方がいいかな、と思った」
負けず嫌いな一面を持つ一方、中学生にして既に、自らを見つめるまなざしは冷静だった。=敬称略
(村瀬信也)
◆毎週日曜に掲載します。
情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)修業編:10 匿名でネット対局、中1でプロ並みの点数に:朝日新聞デジタル
ほぉ・・・