長時間ネットを使用して過ごす10代の若者はADHDの症状が出る可能性(米研究) : カラパイア

ふむ・・・


手元にあるスマホはいつでもネットとつながっている。

SNSからの通知が四六時中届き、いくつもの返信やら「いいね」やらで大忙しだ。更には通販サイトからタイムセールの通知、グループLINEでの応答、おっとYOUTUBEで好きなチャンネルの最新映像があがってる。こんな状態で果たして何かに集中することができるのだろうか?

こうした手軽なフィードバックと満足が若い人たちの心に悪影響を与えるかもしれないという研究はかねてから行われているが、最新の研究論文でも、そうしたつながりは懸念すべき代償をともなうと示唆している。

デジタルメディアを多く利用する10代の若者にADHD(注意欠陥・多動性障害)の症状が高い割合で見られたという。

多くのデジタルメディア活動を行った人にADHD的症状が

南カリフォルニア大学健康・感情・依存症研究所のアダム・レヴェンタール(Adam Leventhal)氏は、ロサンゼルスに住む2587人の高校生を長期的な調査を行った。

その結果、1日に14種類のデジタルメディア活動を複数回行った人は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を発症する確率が高いことが判明した。

そうした活動は、例えば、SNSの確認、メールの送信、オンラインチャット、写真・動画・ブログの投稿、ステータスの更新といったものだ。

調査の対象となった高校生では、半数以上が1日に複数回SNSへのログインやメール送信を行っていた。

14種類の活動のうちの10種は、作業を完遂することが困難だったり、じっとしていられないといったADHDの症状と有意に相関があった(症状は自己申告によるもので、2年間6ヶ月ごとに報告されたもの)。

頻繁に行っている活動が1つ増えるごとに、発症リスクは11パーセント増大した。その累積的な影響の点で見ると、1日で14種のうち7種を複数回行った学生は、それほど頻繁にメディアを利用しない学生に比べて2倍発症率が高かった。

なお学生らには研究に参加する以前に目立ったADHD症状が見られなかった。

デジタルメディア利用と発症の因果関係は確認していない

だだし、デジタルメディアが必然的にADHD症状を引き起こすというわけではない。

この研究はデジタルメディアの利用と発症に因果関係があることを確認したものではなく、単にデジタルメディアの多用が若い世代のADHD発症リスクを高める可能性を提示したものだ。

だがこうした意見は、もはや避けることができないデジタルメディアの子供への悪影響を心配している親にとっては不安の種だろう。

メディアの利用時間を減らす工夫

こうした研究は、もはや避けることができないデジタルメディアの子供への悪影響を心配している親にとっては不安の種だろう。

昨年、閲覧時間を制限するアプリが普及したが、気になる親にはそうしたツールが役に立つかもしれない。

先月、アップルはスマホの利用を管理制限する新機能「スクリーンタイム」を実装した。これは親が子供の活動を追跡し、それに応じて利用を制限するためにも使える。

だが、脳機能やメンタルヘルスに悪影響を与えないデジタルデバイスの適切な利用時間は未だはっきりしていない。

遺伝だけではない。ADHDの原因は何か?

一部の研究者は、デジタルメディアの利用がADHDに何らかの役割を果たしているのではないかと疑ってきた。

・ADHDとは?|どんな症状なの?|大人のためのADHDサイト

注意不足や衝動性を特徴とするADHDは、遺伝性のものであると認知されているが、遺伝子だけがリスク要因ではない。

他にも妊娠中の環境毒への暴露、出生時の低体重、脳の損傷といった要因がある。また女の子よりも男の子でのほうが一般的だ。

ADHDと診断される子供の数は過去20年で急増しているが、その原因については完全に分かっていない。

デジタルメディアによる注意力散漫なのか?ADHDによるものか?

ある専門家は、レヴェンタール氏らの発見を説明するかもしれない”新しいメカニズム”について述べている。

それによると、デジタルメディアの特徴である説得的な設計が、注意力やマルチタスク能力に変化を引き起こしているかもしれないという。

これは脳の判断能力も低下させるかもしれない。

衝動の抑制能力に影響する一方、”常時オン”文化を作り出すために、脳が通常の状態で休んだり、退屈を我慢したり、自分の心に意識を向けたりする機会を乏しくしているのだという。

分野横断的な先行研究は、デジタルメディアの長期的な影響を追跡してこなかった。このために、デジタルメディア利用が多くなる傾向が、じつはADHDのせいである可能性を判断することを難しくしている。

レヴェンタール氏らの研究は、このようのな”逆の因果関係”を棄却することができない一方、所得やメンタルヘルスといった、いくつか他の要因はきちんと考慮されたものだ。

この研究は『Journal of the American Medical Association』に掲載された。

References:jamanetwork / mashable

情報源:長時間ネットを使用して過ごす10代の若者はADHDの症状が出る可能性(米研究) : カラパイア


へぇ・・・