ふむ・・・
佐藤天彦名人への挑戦権を争う第77期将棋名人戦・A級順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)が6月12日に始まった。トップ棋士10人が、来年3月までかけて戦う総当たりのリーグ戦。挑戦だけでなく、残留を巡る争いも激戦が予想される。
■豊島、前期の勢い続くか
11人が参加した前期は、まれに見る混戦となった。羽生善治竜王、稲葉陽(あきら)八段、広瀬章人八段、佐藤康光九段、久保利明王将、豊島将之八段の6人が6勝4敗で並び、史上初の6者プレーオフが行われた。
挑戦者になった羽生に次ぐ存在感を示したのが豊島だ。開幕から5連勝と首位を独走。その後、崩れたが、プレーオフでは久保、佐藤、広瀬を立て続けに破った。
今期開幕戦では、同じ関西勢の稲葉と対戦。稲葉が後手番で得意とする横歩取りの戦いになったが、豊島が熱戦を制した。第89期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)では、棋聖の羽生を2勝1敗と追い詰めている。今期A級最年少の28歳の勢いは続くだろうか。
豊島以外の関西勢も元気だ。2度目の挑戦を目指す稲葉、初挑戦を狙う久保に加え、糸谷哲郎八段の参加により、第52期以来、25期ぶりに10人中4人が関西勢となった(当時の4人は有吉道夫九段、小林健二九段、谷川浩司九段、南芳一九段)。
近年、若手のタイトル保持者が相次いで誕生しているが、A級においては、40代が地力を見せる場面も多い。1回戦の久保―広瀬戦と三浦弘行九段―阿久津主税(ちから)八段戦は「40代対30代」の対決だったが、いずれも40代が制した。共に40代の佐藤―深浦康市九段戦も、力のこもった戦いだった。10人のうち40代が5人を占め、30代は2人、20代は3人。世代間の争いも見どころの一つとなる。
■羽生竜王、初戦は初参加の糸谷
羽生は前期のプレーオフで豊島、稲葉を破って挑戦を決めた。史上初の「タイトル通算100期」を達成する絶好機だったが、2年前に同じ舞台で敗れた佐藤名人に再び屈した。
佐藤は開幕前、他棋戦の成績は振るわなかったが、横歩取りになった第4局で新手を披露するなど、名人戦に向けた入念な準備がうかがえた。羽生は「序盤作戦に、かなり周到な準備をしていると感じた」と振り返る。一方、自身の反省点を問うと、「全般的にアイデアの工夫が足りなかったと思っている」。戦術が目まぐるしく移り変わる中、トップランナーでさえも自己変革のために試行錯誤を続けていることがわかる。
今期A級は、18回目の名人戦登場を目指す戦いとなる。「1年間、安定した気力を充実させたい」
羽生と1回戦で当たる糸谷は竜王獲得などの実績を持つ。13期目の順位戦で初めてA級に到達した。「長くかかってしまった。豊島八段、稲葉八段に抜かされてしまったが、やっと追いついた」。同じ関西勢の後輩2人の名前を挙げ、そう語る。
前期B級1組では、開幕から8連勝。2局を残して、A級昇級を決めた。勢いにのると、勝ちまくるタイプだ。「A級として恥ずかしくない戦いをしたい。挑戦を目指す」
羽生―糸谷戦は26日に東京・将棋会館で指される。(村瀬信也)
■第77期将棋名人戦・A級順位戦
順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 9回戦 1 羽生善治竜王(47) 糸谷 深浦 久保 稲葉 阿久津 佐藤 三浦 豊島 広瀬 2 稲葉陽八段(29) ●豊島 久保 糸谷 羽生 広瀬 深浦 佐藤 阿久津 三浦 3 広瀬章人八段(31) ●久保 佐藤 阿久津 三浦 稲葉 糸谷 豊島 深浦 羽生 4 佐藤康光九段(48) ○深浦 広瀬 豊島 久保 三浦 羽生 稲葉 糸谷 阿久津 5 久保利明王将(42) ○広瀬 稲葉 羽生 佐藤 糸谷 阿久津 深浦 三浦 豊島 6 豊島将之八段(28) ○稲葉 阿久津 佐藤 糸谷 深浦 三浦 広瀬 羽生 久保 7 深浦康市九段(46) ●佐藤 羽生 三浦 阿久津 豊島 稲葉 久保 広瀬 糸谷 8 三浦弘行九段(44) ○阿久津 糸谷 深浦 広瀬 佐藤 豊島 羽生 久保 稲葉 9 糸谷哲郎八段(29) 羽生 三浦 稲葉 豊島 久保 広瀬 阿久津 佐藤 深浦 10 阿久津主税八段(36) ●三浦 豊島 広瀬 深浦 羽生 久保 糸谷 稲葉 佐藤(順位は、前期の成績に基づく)
情報源:名人挑戦へしのぎ、熱く開幕 将棋A級順位戦:朝日新聞デジタル
- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 名人戦棋譜速報│将棋・名人戦順位戦棋譜速報サイト
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- 第76期将棋名人戦七番勝負:朝日新聞デジタル
- 名人戦・順位戦 – 毎日新聞
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