イタリア語版WikipediaがEUの改正著作権指令に抗議して閉鎖 – GIGAZINE

ほぉ・・・



by Lane Hartwell

EUの新しい著作権指令案が2018年7月に欧州委員会での投票で成立か不成立かが決定されますが、その内容には「インターネットの自由を脅かすものだ」という批判も多く、ウィキメディア財団はEUの改正著作権指令案に対して、イタリア語版Wikipediaの記事へのアクセスを一切禁じる形で抗議を表明しています。

Italy Wikipedia shuts down in protest at EU copyright law – BBC News
https://www.bbc.com/news/world-europe-44696302

2018年6月20日に欧州議会法務委員会によって改正著作権指令案が可決されました。2018年7月5日に欧州委員会で可決されると、新しい著作権指令案がEUで成立することとなります。改正著作権指令案はあくまでも「指令」です。一般的には指令は加盟国に目標達成を促すものであって、指令そのものに法的な拘束力はありません。しかし、加盟国は指令に合わせて自国の著作権法を改正する必要があるため、各ネットサービスは対応を迫られることとなります。

ハイパーリンクを貼るだけで著作権料がかかる通称「リンク税」がEUで導入されようとしている – GIGAZINE

このEUの著作権指令案の第11条ではインターネット上でリンクを貼り付ける行為にも著作権使用料の支払いを義務づける「リンク税」が決められている他、第13条ではアップロードするコンテンツが著作権侵害でないかを事前にチェック・フィルタリングする義務が課せられていて、「インターネットの自由が脅かされる」と多くの批判が集められています。

この著作権指令草案では「非営利目的の百科事典」としてWikipediaが例外に設定されていますが、さまざまなクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに基づいたWikipediaのファイルには商用利用可能なものもあり、一概に例外とまとめられない状況となっています。一方、Wikipediaの創始者であるジミー・ウェールズ氏はこの改正著作権指令案に対して反対の意思を明確に表明し、EUの改正著作権指令案に対する注意喚起の一環としてイタリア語版のWikipediaを閉鎖すると発表しました。

記事作成時点では、イタリア語版Wikipediaのトップページにアクセスすると「改正著作権指令が成立し、新しくコンテンツフィルタリングを課されることで、ネットの自由が脅かされ、ネットへのアクセスが妨げられます。ソーシャルネットワーク上で新聞記事を共有したり、検索エンジンで何かを検索することは不可能になるかもしれません。ウィキペディア自体も終わってしまう危険性があります。そのため、イタリアのWikipediaコミュニティはすべての百科事典のページを閉鎖することにしました」というメッセージが表示され、記事コンテンツにはアクセスできないようになっています。

Wikipedia:Comunicato 3 luglio 2018 – Wikipedia

また、改正著作権指令案の第13条によって、人気のあるインターネット・ミームやパロディーも、インターネットで自由に使うことができなくなる可能性もあります。デジタルの権利と自由を訴えるイギリスの団体・Open Rights Groupは「事前のコンテンツフィルタリングによって、オンラインで発言する自由が奪われる」と反対しています。

情報源:イタリア語版WikipediaがEUの改正著作権指令に抗議して閉鎖 – GIGAZINE


へぇ・・・