えぇ・・・
便利の裏側にある闇。
スマートホームで生活がますます便利になる一方で、便利さを逆手にとった問題も増えていきています。New York Timesによると、ドメスティック・バイオレンス(DV、家庭内暴力)にスマートホームを使が使われるケースが増えてきているとのこと。心理的なDVや監視などに悪用されているんだとか。
スマートホームを使ったDVってどんなものかというと、温度自動調節器やインターホン、スピーカー、電灯などスマートホームに接続してコントロールできるものを使用して、パートナーにハラスメントを行なうなど。ある女性はエアコンを自分は触っていないのにオンオフを繰り返されたとか。また他の女性はドアの解除コードが勝手に何度も変更されたり、訪問者が誰もいないのにインターホンが何度も鳴らされるというケースも。
国際ドメスティック・バイオレンス・ホットラインによると、過去1年間でこういったスマートホームが勝手にコントロールされているという電話が急増。虐待の加害者は遠隔でスマートホームやシステム自体を監視・コントロールしているという報告が通報者からされているとのこと。スマートホームのようなテクノロジーを使ったDVが残念なことに「流行」していると関係者は話している。
スマートホームを利用している世帯は、McKinseyの調査によると2015年は1700万軒だったのが、2017年には2900万軒に増加。2012年までにスマートホームのアメリカ国内市場は、およそ290億円に拡大すると予想されています。
テクノロジーを使った監視や虐待は最近に始まったことではありません。NPRによると2014年の調査で、アメリカにある70以上のDV保護施設で、85%以上の施設でGPSを使ったトラッキングの被害者報告、また75%の施設では携帯のアプリを使って監視されていた被害者がいたと報告されています。オーストラリアにあるドメスティック・バイオレンスNPO法人による2015年の調査によると、DV保護センターなどで働く回答者の98%が「テクノロジーによるストーキングや虐待をされた被害者がいた」と答えたそうです。ほとんどのDV被害者は何らかの形でテクノロジーを使った虐待行為を受けているということになります。
こういった新たな技術やプロダクトデザインの増加は、女性に対する暴力行為の直接的な原因となりうるとNew York Timesは報じています。またスマートホームは値段が手に入れやすい低価格となってきていて、スマホやアプリで簡単に家全体を管理できるようになってきたため、加害者は被害者をコントロールしやすい状況にあるとのこと。テクノロジーにより、すべてがより早く、便利で、効率よくなって来ていますが、それによって悪い影響を受けてしまう人たちもいるということも考えなくてはいけないですね。
Image: Gettyimages
Source: New York TimesMelanie Ehrenkranz – Gizmodo US[原文]
情報源:その発想はなかった、悪い意味で。家庭内暴力にスマートホームが使われるケースが増加中 | ギズモード・ジャパン
はぁ・・・