ふむ・・・
世界第6位の海域面積を管理する海洋国家・日本。近海には、希少土(レアアース)1600万トンが眠っている。政府はこの夏、自律型の無人潜水機で水深6000メートルの深海底を調査できる技術の開発に着手するという。輸入に頼ってきた、レアアースの「国産」化を目指す。
日本は資源に乏しく、エネルギー・資源の多くを輸入に頼っており、産業構造を支えるには脆弱(ぜいじゃく)だと問題が指摘されてきた。JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)によると、中国は世界のレアアース埋蔵量では4割に上り、長らくその生産量は世界の90%を占めてきた。
中国国営メディアによると、2017年上半期に内モンゴル自治区から輸出されたレアアースの量は5029.9トンで、そのうち約半分は日本へ輸出されたという。
しかし、中国レアアース市場は中国共産党政府により管理されており、共産党内の政局や対日外交など、政治事情に左右されやすく不安定要素は多い。さらにルール違反の行動も報じられている。読売新聞は4月、中国籍の船舶が、日本の排他的経済水域(EEZ)に、日本の許可なく侵入し、希少資源を採取していると報道。中国は、学術的にも同地域の希少類に言及し、優先権(先取権)を狙っているとみられる。
参考:日本のレアアースを狙って 中国船が日本EEZで無断採取
レアアースは、経済産業の発展には必要不可欠だ。光ファイバー網、超伝導材、LED、原子炉中性子、触媒、磁石、電池などの材料となる。ハイテク分野を含む日本の産業には不可欠だ。
専門家の高木哲一・レアメタル資源研究者は科学誌シンセシオロジー2016年9月号の寄稿文で「日本鉱床から重レアアースを生産することができれば(略)たとえ生産量が少量でも、中国というカントリーリスクを取らずに重レアアースを入手できる。市場に安心感をもたらし、価格の安定化に寄与することが期待される」と記している。
2010年、中国はレアアースは極端な輸出制限を行ったため、価格が最大10倍に高騰した。以後、日本は中国依存の脱却と輸入先の多角化を図ってきた。2015年までに中国シェアは48%までに減少し、ベトナム、マレーシアからの輸入を増加させた。
日本政府は、自国の排他的経済水域(EEZ)内から、レアメタルを生産できるよう、安定供給と確保を図り、調査から生産に至るまで一連の技術を開発・実証することを目指す。
政府はこの夏、海上に浮上することなく長時間活動できるよう充電され、海底でもデータ送信できる自律型無人潜水機(AUV)の研究開発を行う。AUVは、鉱物資源を深海底から採取し、船上へ効率よく運ぶ技術の開発も行う。2022年度までの実用化を目指す。
内閣府によると、日本の希少鉱物が存在するとして注目を集める日本最東端の島、南鳥島(東京)には、水深の最も深い5000~6000メートルの海洋底にレアアース泥がある。日本の海域は、水深2000~6000メートルが全体の65%を占める。
4月に発表された早稲田大学と東京大学などの合同研究によると、南鳥島の周辺には1600万トン超ものレアアース(希少類)が存在する。これは世界需要の数百年分に相当する。
2017年、経済産業省の委託を受けたJOGMECは、沖縄近海の1600mの海底にある熱水鉱床から連続でレアアース鉱床を洋上に揚げることに世界で初めて成功した。
今回のAUVを使用した研究開発は、さらに水深の深い5000~6000メートルで行う。成功すれば、国内外で前例のない深海鉱物資源の生産が可能となる。
(編集・甲斐天海)
情報源:レアアース「国産」目指して 日本海底6000M、無人潜水機の開発着手
政府は今夏、無人潜水機を使って水深6000メートルの深海底を調査できる技術の開発に着手する。深海でも洋上と通信したり、充電したりできるシステムを確立し、2022年度までの実用化を目指す。レアアース(希土類)など、日本近海に眠る海洋資源探査に役立てたい考えだ。
無人潜水機の開発は、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の事業として、7月に正式決定の見通し。
政府は、水深2000メートルの海底で無人潜水機5台を同時運用する技術を開発し、沖縄近海で実証実験を行っている。海中の潜水機が電磁波などで調べた海底のデータを洋上の中継器1台に音波で送る。中継器は衛星回線を使い、データを陸上の研究拠点に伝える仕組みだ。しかし、それ以上深い場所では音波による通信が難しくなる。潜水機も連続10時間程度しか動かせず、母船でこまめに充電する必要があった。
情報源:水深6千m探査に挑戦…政府、無人潜水機開発へ(読売新聞) – Yahoo!ニュース
情報源:水深6千m探査に挑戦…政府、無人潜水機開発へ : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
へぇ・・・