棋譜の余白:将来像不透明な女流将棋界=山村英樹 – 毎日新聞

ふむ・・・


5月から6月にかけて、女流将棋界で2人の新しいタイトル保持者が誕生した。

第11期マイナビ女子オープン五番勝負は、挑戦者の西山朋佳奨励会三段(22)が加藤桃子女王(23)に3勝1敗で勝ち、女王の座に就いた。第29期女流王位戦五番勝負は、挑戦者の渡部愛(まな)女流二段(24)が里見香奈女流王位(26)をやはり3勝1敗で降し、初の女流タイトル戦登場で獲得を果たすとともに、女流三段へ昇段した。

登場した全員が20代ということは特徴的だ。確実に若い世代が育ってきている。

女流将棋界について整理してみよう。今年引退した蛸島彰子女流六段(72)を草分けとする女流将棋界は、その後、人数も参加する棋戦も増えて現在は6棋戦。現役は60人を超えている。

ただし、「棋士」になった女性はまだいない。普通、棋士になるには半年かけて行われる奨励会の三段リーグで上位2人にならなければならないが、女性で初めて三段リーグに入った里見は8回在籍(うち3回休場)したものの、26歳の年齢制限のため今年3月に退会した。現在は西山が三段で初の女性棋士に挑み、加藤と中七海(19)が初段だ。

里見は女流棋士で奨励会編入試験を受けて合格し、両立させてきた。女流棋士になっていない西山と加藤は、一部の女流棋戦に出場している。2012年に女王を連覇した上田初美女流四段(29)以降は、奨励会やその経験者でタイトルを占有しており、渡部は6年ぶりに奨励会を経験していない女流タイトル保持者となった。

また、渡部のタイトル獲得には別の意味もある。女流棋士は07年に新団体・日本女子プロ将棋協会(LPSA)と、日本将棋連盟への残留者に分裂した。渡部が在籍するLPSAとしては09年の石橋幸緒女流王位(14年に引退)以来の女流タイトル保持者となる。両団体が、渡部を女流棋士として認めるかどうか13年に紛糾したこともあった。

現在は女流棋士が着々と増加して、対局や普及、大盤解説会や対局中継の聞き手として活躍しているが、女流将棋界の将来像は不透明な部分もある。日本将棋連盟では4月から規定を変更して、女流棋士になる資格を若干狭めたが、今後も新たな制度作りが必要となりそうだ。

情報源:棋譜の余白:将来像不透明な女流将棋界=山村英樹 – 毎日新聞


へぇ・・・