(大志 藤井聡太のいる時代)成長編:10 小4で弟子入り、始まりは「クリームソーダ」:朝日新聞デジタル

ほぉ・・・


聡太が頼んだクリームソーダ=株式会社コメダ提供
聡太が頼んだクリームソーダ=株式会社コメダ提供

「弟子入りを申し込まれて安堵(あんど)しました」。杉本昌隆七段(49)は、小学4年生だった藤井聡太(そうた)七段(15)から申し出があった時のことをこう振り返る。

夏の奨励会試験が迫ったある日。名古屋市中心部にある喫茶店「コメダ珈琲店栄三丁目店」。母の裕子(ゆうこ)(48)に連れられた聡太は、クリームソーダを注文した。緑色のソーダ水に、たっぷりのソフトクリームが浮かぶ。聡太はストローでクリームを底に沈めようとしては、ソーダ水をテーブルにこぼした。

「藤井にあまり指導した記憶は無いんですが、この時は、『こうやって飲むもんだよ』と先にソーダを飲むことを指導しました」と杉本は楽しそうに語る。「その瞬間は、どんくさいな、と思いましたね」とも。

聡太は小学3年生の時に「全国小学生倉敷王将戦」と「将棋日本シリーズこども大会」東海大会の低学年の部で優勝。「上でやっていける自信が出た。本気でプロを目指すようになりました」と後に話している。

「コメダ珈琲店」の前で思い出を語る杉本昌隆七段
「コメダ珈琲店」の前で思い出を語る杉本昌隆七段

日本将棋連盟のプロ棋士養成機関「奨励会(しょうれいかい)」の入会試験を受ける前、多くの受験者がプロ棋士に弟子入りを志願する。師匠は、将棋界での身元引受人の意味合いも強い。聡太が通う東海研修会で指導をしていた杉本は「いつ、弟子入りしたいと言われるか」とドキドキしていた。別の師匠を求めたり、才能ある聡太が別の道に進んだりしたら。「かと言って、こちらから『弟子になってくれ』というわけにもいかないですし……」

それでも、「もっと、すごい棋士に師匠になってもらった方が藤井のためかも」と、ふと思う日もあった。「『光速の寄せ』で一世を風靡(ふうび)した谷川浩司九段(56)とか。自分が師匠で良いのか、と自問自答したこともありました」。こののち、杉本は師匠として聡太の活躍を支えていくことになる。=敬称略、おわり

第1部は佐藤圭司、村瀬信也、滝沢隆史が担当しました。第2部「修業編」は7月8日から始まります。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)成長編:10 小4で弟子入り、始まりは「クリームソーダ」:朝日新聞デジタル



へぇ・・・