未払い分の回収は?
訪日した外国人観光客が医療費を支払わずに出国するケースが相次いでいる問題で、政府は、医療費の未払いを繰り返す恐れのある訪日客の再入国を拒否する方針を固めた。2020年度から本格実施したい考えだ。増え続ける訪日客の医療体制を整備する政府の総合対策の柱として、14日に発表する。
厚生労働省の調査(16年)によると、訪日客など外国人患者を受け入れたことのある医療機関の35%が、過去1年間に未払いを経験。未払いなどをリスクと考える医療機関も64%に上り、政府は3月から総合対策を検討していた。
再入国拒否は、日本にとって好ましくない外国人の入国を認めない出入国管理法の規定に基づく措置。厚労省は、全国の医療機関から未払い歴のある訪日客の情報を集め、法務省に通報する。法務省は入国審査にそうした情報を反映させる。
情報源:医療費未払いの訪日観光客、再入国拒否へ…政府(読売新聞) – Yahoo!ニュース
情報源:医療費未払いの訪日観光客、再入国拒否へ…政府 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
訪日客の増加を受け、けがや病気で病院を受診した外国人患者が医療費を支払わないケースが続出している。一人の未払い額が数百万円にのぼる例もあり、病院経営への影響を危惧する声も出始めた。2020年東京五輪・パラリンピックを控え、訪日客数が増えれば混乱はさらに深まる恐れもある。(社会部 三宅陽子)
■タイ人に治療費1500万円
東京医科歯科大学病院(東京都文京区)は昨年1月、国内旅行中に倒れた20代のタイ人女性の救急搬送を受けた。病名は「虚血性心不全」。手術を含めた懸命な処置を行い、命を救った。
だが、治療にかかった約1500万円の扱いに患者も病院側も苦慮することになった。女性は旅行保険に入っておらず、費用は自己負担となることに。タイ大使館から約800万円の立て替え払いがあり、募金なども受けて一部の返済が行われたが、帰国した今も完済には至っていない。
「女性はタイから支払いを続けてくれているが、医療費の未回収分は病院が負担するしかない。同様の事例が続けば経営は確実に圧迫される」。大川淳病院長はこう危機感を募らせる。
■3割が未払い経験
外国人患者をめぐる医療費のトラブルは各地で相次いでいる。厚生労働省の調査によると、平成27年度に外国人患者を受け入れた1378病院のうち35%で医療費未払いがあった。
近畿運輸局が行った調査(28年5~7月)でも、回答した大阪府内の147病院のうち20病院で27人分の未払いの発生があり、未払い総額は1547万円にのぼった。1人の未払いが約800万円という例もあった。
一方、本人や家族の所持金から医療費の一部を回収できても「帰国後に送金する」とされた残金の支払いが果たされていないケースもある。未払いの一因は旅行保険に未加入であることや、医療情報の説明不足などがあるとみられるが、現場からは「出国されてしまえば打つ手がない」「適切な対応方法が定まらない」との戸惑いの声も漏れる。
■保険加入をチェック
こうした中、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)は約3年前から外国人患者の対応支援に当たる専門部署を立ち上げ、成果をあげている。力を入れてきたのは未払いの“芽”を摘むことだ。
例えば、これまでややおざなりにされてきたパスポートによる本人確認や、旅行保険加入の有無などの情報収集を徹底。医療費の高額化が予想される場合、早期の支払いを促すなど担当者が取るべき手順も明確化させていった。現場の調整に当たるコーディネーターも置き、通訳や大使館への相談といった関係機関との連携にも力を入れている。
ただ、こうした取り組みは医療機関ごとに温度差がある。
政府は平成32年に訪日客数を4000万人とすることを打ち出しており、「セーフティーネットの構築を含め、国や自治体、関係機関が連携して対応策を講じていかなければ、対処しきれなくなる病院も出てくる」と同センターの大曲貴夫副院長は懸念する。
自民党のプロジェクトチームは4月、医療費の未払いを繰り返す恐れのある外国人に対し、入国を拒否することなどを盛り込んだ提言を公表した。保険加入の推進や外国人患者受け入れのマニュアル整備、クレジットカード決済の普及なども打ち出しており、政府がこうした案を外国人患者の対応策にどう反映させ、体制づくりが動き始めるか注目される。
情報源:病院悲鳴! 訪日外国人の医療費未払い続出で「経営圧迫」 一人数百万円も…(産経新聞) – Yahoo!ニュース
情報源:【ニュースの深層】病院悲鳴! 訪日外国人の医療費未払い続出で「経営圧迫」 一人数百万円も…(1/3ページ) – 産経ニュース
大使館に請求できるようにしろよ。