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本人の意思に反して子供や女性に無理やり結婚を強いるパキスタン文化を背景に持つ英国在住の10代少女が、母親に結婚を強要された。逮捕された母親にはこのほど4年半の懲役刑が下されたが、この事件はイギリスで強制結婚を成立させたとして起訴された初のケースとなった。『The Independent』『The Guardian』『Metro』などが伝えている。
英バーミンガムに住む女性(法律上の保護により名は公表されず)は、自分の母親(45歳)に人生を狂わされた。2012年、女性が13歳の時に母親の2度目の夫の甥となるパキスタン人で29歳だった男と意思に反して結婚の約束を交わされた後、男に処女を奪われ妊娠した。
その後イギリスに戻り少女は中絶をした。GP(英総合診療医)の医師が児童福祉サービスに通報し、一時期少女は児童保護施設へと預けられていたが後に家族のもとへ戻った。しかし少女にとっての悪夢は終わらなかった。17歳になった時、母親に旅行と騙されてパキスタンへ連れて行かれた少女は、かつて自分を妊娠させた男と18歳の誕生日を迎えた直後の2016年9月18日に、結婚同意の署名を強いられ結婚させられた。男は33歳になっていた。
少女には学習障がいがあったが、強制的に結婚させられることに対して母親に泣いて訴えたという。しかし母親は娘の意思を尊重することもなく、パキスタンで娘を男のもとへ置き去りにするなど到底母親らしからぬ身勝手で冷酷な対応をしていたようだ。
やがてこの件が娘の口から明らかとなり、母親は逮捕された。5月23日、バーミンガム刑事法院で行われた裁判には、現在19歳になった女性と被告である母親が出廷し、母親には結婚を強要した罪2件と偽証罪1件で懲役4年半の実刑判決が下された。判決を聞いた母親は何の感情を示すこともなく、娘はそんな母親のほうを見ることもなかった。
パトリック・トーマス判事は、「被告は、残酷に娘を騙し恐怖に陥れ、娘の意思に反して結婚を強制した。その時の娘がどのような気持ちであったか母親ならば知らないはずはない。にもかかわらず己の目的のために結婚を強制し、事態が明らかになれば娘を責めることはしても自分への責任は全く問うことをしていない。法廷で、娘が全てを打ち明けなければならなかった勇気は称賛に値するが、それに反して被告は卑怯で欺瞞な態度を貫いた」と母親を厳しく糾弾した。
女性は「男性とは結婚したくなかった」と胸中を吐露し、「でも、出廷した自分を誇りに思う。私のように強制結婚をさせられそうになったら、誰かに相談してほしい」と若い女性たちに向けて訴えている。公訴局のエレイン・ラドウェイさんは、「本人の意思に反して結婚を強いることは犯罪であり人権侵害です。今回の深刻な犯罪が明らかになったのは、女性の証言のおかげです。彼女の法廷での証言が、有罪判決を確証付けるじゅうぶんな証拠となったのです」と述べた。
このたびの件は、イングランドとウェールズの刑事法院において、身内に騙され強制結婚させられたとして、被害者が家族を訴え起訴に持ち込まれた初のケースとなった。このニュースを知った人からは「この事件が、若い子供を持つ親に考えさせるいいきっかけになればいいけど…」「本当に最低としかいいようがない母親だな」「娘が背負わされた苦悩を考えると、母親の刑期があまりにも短すぎる」といった声があがっている。
画像は『Metro 2018年5月23日付「Woman jailed for forcing daughter to marry man in Pakistan in legal first」(Picture: BPM)』のスクリーンショット
情報源:娘を騙し、パキスタンで親族の男と強制結婚させた母に懲役刑(英) – ネタりか
情報源:【海外発!Breaking News】娘を騙し、パキスタンで親族の男と強制結婚させた母に懲役刑(英) | Techinsight
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