Amazonが顔認識ソフトを警察に販売していることが判明、国民の監視に乱用される可能性アリとして警鐘が鳴らされる – GIGAZINE

ほぉ・・・


by Bill Dickinson
by Bill Dickinson

Amazonが自社開発した安価な顔認識ソフトウェアを、少なくともアメリカの2つの州の法執行機関と警察用のボディカメラ製造会社、そして法執行機関のためにデータ分析・情報処理を行う会社に販売していたことがわかりました。

Amazon is selling facial recognition to law enforcement — for a fistful of dollars – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2018/05/22/amazon-is-selling-facial-recognition-to-law-enforcement-for-a-fistful-of-dollars/

Amazon Is Selling Cheap, Real-Time Facial Recognition Technology to Cops – Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/3k4dq5/amazon-rekognition-facial-recognition-cops-body-cameras


Amazonの顔認識ソフトウェアが販売されていたことは、警察の内部文書およびAmazonのマーケティング素材から判明したとのこと。

マーケティング素材によると、Amazon Web Servicesが2017年に作成した「Amazon Rekognition」というソフトウェアは使用者が有するデータベースを参照して、カメラが捉えたライブストリームの映像からリアルタイムで特定の人物だけを認識するというもの。ムービーや写真のデータベースでテストされた時には、ソフトウェアの画像認識アルゴリズムは群衆の中からターゲットを認識し、追跡することに成功したといいます。

アメリカ自由人権協会が情報公開請求によって(PDFファイル)入手した文書によると、Amazon Rekognitionは2018年時点で警察によって使用されていますが、将来的に連邦データ・フュージョンセンターで使うことについても検討されている様子。Amazon Rekognitionが法執行機関で用いられるようになったということは、Amazonが法執行機関による監視というマーケットにアメリカでいち早く参入したということを意味します。

Amazon Rekognitionの代表であるRanju Das氏は、フロリダ警察は新しいテクノロジーをリリースするためのパートナーであったことを明かしています。「警察によって設置が認められたカメラはデータをAmazonへと送り、彼らが有している顔写真のコレクションと比較してリアルタイムで映像が解析されます」とDas氏は説明。カメラは都市の主要地域に設置され、「重要な人物」のトラッキングに利用されるとのこと。

by Ghost Presenter
by Ghost Presenter

ただし、オーランド警察の広報によると、このテクノロジーはあくまでテスト段階であり、公共の場の監視や犯罪調査の場には使用されていないそうです。

またAmazonはソフトウェアを、「当局に起訴可能な情報を提供すること」を目標に掲げるDATAFUSIONにも販売しています。アメリカ自由人権協会の弁護士であるMatt Cagle氏は「AmazonはRekognitionを警察のボディカメラに使うことを推奨しています。これによって、警察のボディカメラは公共の場を監視する機械へと変えられます」とその危険性について示唆しました。そしてCagle氏は、Rekognitionの導入が「公衆による抗議が高まり、連邦政府が移民や黒人の活動家を犯罪者として攻撃しているというタイミングで行われていること」についても警告を行っています。

ワシントン州の文書によると、警察は2001年から記録されたマグショット30万500枚をAmazonのサーバーに400ドル(約4万4000円)かけてアップロードし、その後、月6ドル(約670円)をソフトウェアの使用料として支払っているとのこと。ただしアメリカ自由人権協会の調査によって、ソフトウェアが「95.53%の確率で人物と写真が合致した」と示す人であっても、実際には間違いであることもあるようです。

Rekognitionの使用を視野に入れているフュージョンセンターは、アメリカ同時多発テロ事件が発生した後に、地方、州、連邦、そしてプライベート部門のデータを統合する目的で設立されたもの。フュージョンセンターのデータには、交通記録・学校・ISP・通信会社・銀行・公文書・法執行機関の文書など、あらゆるものが含まれます。2018年5月現在では、警察がアップロードした画像に対してだけRekognitionが使用されていますが、フュージョンセンターのデータがそこに加われば、その情報量はいち警察が扱うべき範囲を大きく超えてしまうことが考えられます。数多くの人権団体がジェフ・ベソスCEOに対し「法執行機関にRekognitionを販売することをやめるべき」と要求しているのは、これが大きな理由です。

しかし、アメリカ自由人権協会を含む人権団体がAmazonのジェフ・ベソスCEOにRekognitionの販売を停止するよう求めたところ、AWSの広報は「Amazonは、顧客に対して法の順守とサービスを利用する際の責任を求めています。顧客によってAWSのサービスが乱用されていることが判明すれば、顧客の権利は停止させられます」と説明。Rekognitionは行方不明の子どもを見つけことができるなど、有益なサービスであり、「悪用する人がいるかもしれない」ということでサービスを止めることは人々のクオリティ・オブ・ライフを低下させる、と述べました。

情報源:Amazonが顔認識ソフトを警察に販売していることが判明、国民の監視に乱用される可能性アリとして警鐘が鳴らされる – GIGAZINE


へぇ・・・