山梨のマンホールに…ひっそり千葉のふた 30年設置か:朝日新聞デジタル

えぇ・・・


山梨県富士河口湖町で使われていた千葉県松戸市のマンホールのふた。現在は町の倉庫に保管されている=2018年5月14日、山梨県富士河口湖町小立
山梨県富士河口湖町で使われていた千葉県松戸市のマンホールのふた。現在は町の倉庫に保管されている=2018年5月14日、山梨県富士河口湖町小立

ユーカリの木とコアラの親子がデザインされたマンホールのふた。長年、山梨県富士河口湖町の町道に一つだけ使われてきた。実はこれ、千葉県松戸市のふた。外部の指摘を受け、気づいた町は今月7日、その日のうちに町のふたと取り換えた。なぜこんなことが起きたのか。

松戸市のマンホールのふたは、富士河口湖町勝山の旧勝山村役場から南に約50メートルの町道にあった。直径60センチ、重さ約40キロで、表にはユーカリとコアラの図柄、「まつどし」「おすい」の表記。裏を見ると1989年に製造されたことがわかり、30年近く設置されていた可能性もある。

富士河口湖町は2003年と06年に旧勝山村など4町村が合併して誕生。町内で使われているマンホールのふたは、合併前の町村のものと、合併後の富士河口湖町のもの。旧勝山村で使われていたふたにはリスやフジザクラが描かれていて、松戸市のふたは本来、あるはずがない。

松戸市によると、コアラがデザインされたふたは84年から9年間ほど使われていた。市がオーストラリアのホワイトホース市と姉妹都市関係だったことからコアラの図柄になったという。一方、旧勝山村や富士河口湖町と姉妹都市などの友好関係にはなく、市の担当者も「なぜそこにあったのかわからない」。

ふたメーカーでつくる「日本グラウンドマンホール工業会」事務局長の大石直豪(なおひで)さん(53)は、「工事の際に松戸市のふたが仮置きされ、その後、交換を忘れてしまい、そのままになってきたのではないか」と推測する。

マンホールのふたは、製造するのに1~2カ月ほどの期間がかかる。穴がむき出しのままでは危ないため、メーカーに在庫がないなどの場合には、別のふたを仮置きする対応は珍しくなく、通常はその後、本来のものに交換する。

今回のケースでは、たまたま在庫があった松戸市のふたが、富士河口湖町の「穴埋め」に使われ、担当者が何らかの理由で交換を失念するなどし、気づかれないまま放置されてしまったという訳だ。

千葉県松戸市のふたが設置されていたマンホール(手前)。現在は富士河口湖町の新しいふたが設置されている=2018年5月11日午後1時52分、山梨県富士河口湖町勝山
千葉県松戸市のふたが設置されていたマンホール(手前)。現在は富士河口湖町の新しいふたが設置されている=2018年5月11日午後1時52分、山梨県富士河口湖町勝山

自治体が独自の図柄でマンホールのふたをつくる「デザインマンホール」は那覇市が発祥とされ、80年代に広がった。80年代末の全国の下水道普及率は約4割。現在はほぼ倍増した。

大石さんは「ほとんどが地下にある下水道設備で、唯一地表に出ているのがマンホールのふた。デザインマンホールは、下水道に親しみや関心を持ってもらうための取り組みだった」と説明する。

富士河口湖町の担当者は「指摘されたときは驚いた。ふたが旧勝山村の当時に設置されたとすれば、今となっては調べようがなく、経緯を知ることは難しい」と説明。「松戸市のふたは当面、町の倉庫に保管しておきます」と話している。(野口憲太)

マンホール人気でふたの交換も

下水道への理解を深めてもらおうと、国土交通省や関連団体は「下水道広報プラットホーム(GKP)」を設立。自治体とともに2016年4月、ふたの図柄をカード化した「マンホールカード」を考案した。18年4月時点で、301自治体の342種類のカードが発行される人気ぶりだ。県内でも甲斐、中央、上野原3市がカードを発行している。

17年11月には姉妹都市の東京都八王子市、神奈川県小田原市、埼玉県寄居町の3市町が、カラーデザインのマンホールのふたを互いに交換した。自治体間で初となる取り組みで、マンホールのふたを通した地域活性化が盛んになっている。

山梨県富士河口湖町で使われていた千葉県松戸市のマンホールのふた。現在は町の倉庫に保管されている=2018年5月14日、富士河口湖町小立
山梨県富士河口湖町で使われていた千葉県松戸市のマンホールのふた。現在は町の倉庫に保管されている=2018年5月14日、富士河口湖町小立

情報源:山梨のマンホールに…ひっそり千葉のふた 30年設置か(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

情報源:山梨のマンホールに…ひっそり千葉のふた 30年設置か:朝日新聞デジタル


なぜ・・・