(大志 藤井聡太のいる時代)成長編:3 6歳の誕生会、しょうぎのめいじんになりたい:朝日新聞デジタル

へぇ・・・


6歳の誕生日に幼稚園でつくったカード。この時から「めいじん」を意識していた=愛知県瀬戸市
6歳の誕生日に幼稚園でつくったカード。この時から「めいじん」を意識していた=愛知県瀬戸市

雪の聖母幼稚園。

高校生棋士の藤井聡太(そうた)六段(15)が、3歳から3年間通った幼稚園だ。愛知県瀬戸市の聡太の自宅から車で10分ほどの距離で、小高い丘の上にある。

この幼稚園は、イタリアの医師マリア・モンテッソーリが確立した「モンテッソーリ教育」を実践している。「子どもは自ら伸びたいという強い願望を持つ」という信念に基づき、一人ひとりの興味を尊重し、個々の感性や自主性を育むことを重視する教育方法だ。大人は、子どもが1人でできるように手伝う姿勢で見守る。

園児の成長にあわせて「教具」が用意され、園児にはそれぞれが遊びたい教具を使わせ、気が済むまで繰り返して遊ばせている。年少から年長まで縦割りでクラスを編成し、異なる年齢の園児たちが一緒に過ごすのも特徴である。

だが、聡太の両親は、入園前からモンテッソーリ教育に関心があったわけではない。母の裕子(ゆうこ)(48)によれば、モンテッソーリ教育は幼稚園入園後に初めて知ったそうだ。幼稚園が自宅から近く、偶然、事前に見学した際に施設が気に入ったので、入園を決めたという。

ここでも、聡太は「ハートバッグ」づくりに夢中になった。ハートバッグとは、ハサミで切り抜いた画用紙を編んで、ハート形の袋状にしたものだ。大人の手のひらサイズの作品を、飽きずに毎日のようにつくりつづけた。幼稚園の庭で、友だちと活発に遊ぶ姿もよくみられた。

幼稚園では毎月、園児の「お誕生会」を開いていた。主役の園児は、全員の前で先生からインタビューを受けることになっていた。当時の園長は、聡太が6歳の誕生日会で将来の希望について聞かれたとき、元気よく「将棋のプロ棋士になりたい」と答えたのを覚えている。誕生カードには「しょうぎのめいじん」になりたいと書いていた。

この誕生日会の約1年前、聡太は将棋と出会っていた。=敬称略

◆毎週日曜に掲載します。

情報源:(大志 藤井聡太のいる時代)成長編:3 6歳の誕生会、しょうぎのめいじんになりたい:朝日新聞デジタル


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