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複数のクリエイターと契約してマネジメントを行う企業をマルチチャンネルネットワーク(Multi-Channel Network、MCN)と呼びます。MCNが2018年4月、次々とYouTubeで活躍するクリエイターとの契約を一方的に解除していると、ゲーム系メディアのPolygonが報じています。
YouTube networks drop thousands of creators as YouTube policy shifts – Polygon
https://www.polygon.com/2018/4/23/17268436/fullscreen-socialblade-youtube-mcn-multi-channel-network-creators-monetizationMCNは何千何万というクリエイターと契約し、ムービー制作以外の部分をマネジメントする代わりに、彼らの動画から得た広告や課金による収入の一部をゲットします。ムービーのクリエイターにとっては、広告収益の手続きや受け取りといった煩わしい部分をMCN任せにできるという利点があります。しかし、Polygonは、MCNの中には1年以内に活動できなくなるようなものも出てくるだろうとにらんでいます。
実際に2018年4月5日、Fullscreenは「あなたがアップロードするムービーが潜在的に他人の権利を侵害する可能性がある、またはYouTubeの利用規約やYouTubeのコミュニティガイドラインなど、関連する法律や規制に違反している可能性があるため、Fullscreen Inc.と契約が終了したことをお知らせします」というメールを送り、約160人のクリエイターとの契約を終了した、とPolygonに伝えたそうです。Polygonはメールを検証させてほしいと、Fullscreenに依頼したところ拒否されたとのこと。
その後、Polygonが実際に契約終了を告げられたクリエイターから入手したメールによると「YouTubeがパートナーシッププログラムを変更して、より厳しいコンテンツガイドラインを設けたことで、MCNはネットワークを見直す必要に駆られています。あなたのチャンネルは4月11日をもってMCNから削除されます。本当に残念ですが、あなたのチャンネルを私たちのネットワークで維持することができません」と書かれていたそうです。
一方で、Fullscreenと契約していたのに脱退させられたクリエイターは「今までYouTubeの規約に違反したムービーをアップした覚えがなく、なぜクビになったのかを何度もFullscreenに質問しているが、満足いく答えは得られていません」とPolygonに対して怒りを表しています。
YouTubeは2018年1月にパートナープログラムの内容を変更し、収益化のためには「過去12か月の総再生時間が4000時間以上」「チャンネル登録者数が1000人以上」という条件をクリアする必要がでてくると示しました。2018年2月20日から実装されているこの新基準によって、小規模な活動を行っているクリエイターは採算を取ることが難しくなり、大量のクリエイターを抱えるMCNの運営が厳しくなったことが背景にあると考えられています。
YouTubeで稼ぐには「過去12か月の総再生時間が4000時間以上」「チャンネル登録者数が1000人以上」を満たす必要あり、とパートナープログラム変更 – GIGAZINE
さまざまなMCNを扱うSocial BladeのCEOを務めるジェイソン・アルゴ氏は「YouTubeはもはやMCNを廃止しようという動きを見せています。今はYouTubeから強制される前にMCNを解散させているだけです」と語っています。
ただし、MCNのビジネスモデルには懐疑的な人もいたようで、Polygonの記事には「YouTubeはクリエイターと直接交渉したいだけだ。MCNという余計なレイヤーをはさむべきではない」「MCNはクリエイターから金を搾取するだけで、それに見合う価値があるかというと疑問がある。YouTubeはMCNを取り除くべきだ」など、YouTubeによるMCNの排除に賛同するようなコメントも多く寄せられています。
情報源:YouTubeの規約変更で大手MCNが多くのクリエイターとの契約を一方的に解除して問題に – GIGAZINE
はぁ・・・