114手まで、渡辺明棋王の勝ち。
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第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦1回戦、渡辺明棋王―三浦弘行九段戦が26日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、114手で渡辺棋王が勝った。渡辺棋王が攻め込まれて窮地に陥ったが、三浦九段のミスを見逃さずに反撃し、逆転勝ちを収めた。
朝日杯は、羽生善治竜王、久保利明王将、藤井聡太四段が4強入りを決めている。残り1枠をかけて、26日の1回戦、2回戦(準々決勝)で渡辺棋王、三浦九段、菅井竜也王位、広瀬章人八段の4人が争う。
渡辺棋王と三浦九段の対戦は、2016年10月のA級順位戦以来。その時は、三浦九段が勝っている。同月に開幕する竜王戦七番勝負でも対戦する予定だったが、実現しなかった。三浦九段が、対局中の将棋ソフトの使用を疑われたのを契機に出場停止処分を受けたためで、その疑いを指摘した棋士の1人が渡辺棋王だった。
三浦九段はその後の調査の結果、不正の証拠がなかったと認められた。疑いが晴れたことに伴い、渡辺棋王は三浦九段に謝罪した。
8強入りをかけた戦いの舞台は、将棋会館で最も格式の高い特別対局室。三浦九段、渡辺棋王の順で入室し、両者、普段と同様に駒を並べて対局に備えた。午前10時に共に「お願いします」と発して、戦いが始まった。
戦型は、前回の両者の対戦と同じ角換わり腰掛け銀になった。共に得意とする戦法だ。先手番の三浦九段が攻勢に立ち、攻めの要である飛車を見捨てて猛攻を開始。渡辺棋王の玉将は、相手の攻め駒に包囲された。
三浦九段優勢。ネット中継の解説者が「私なら投了します」と解説し、終局間近かと思われた。しかし、渡辺棋王は盤面を凝視し、粘りの手を続ける。この抵抗に対し、手をかすかに震わせながら指し続けていた三浦九段が誤った。
1図がその局面。渡辺棋王が△5二銀と打ったのに対し、三浦九段は40分の持ち時間を使い切って、▲同とと銀を取った。これが「間違えましたね」と局後に悔やんだ一手だ。△同玉と取り返され、包囲網が破れた格好になった。▲5二同との代わりに▲4四歩なら、△6三銀▲4三歩成△5一玉▲7三金と進み、次の▲6三金で後手玉は詰めろになる。これなら、先手が勝ちだった。
持ち時間各40分の早指し戦は、一瞬の判断の誤りが勝敗を左右することがある。
その後も両者秒読みの中、読み合いは続いた。三浦九段が必死に再逆転を狙うが、渡辺棋王は蓄えた持ち駒を生かして反撃を開始。最後は、万策尽きた三浦九段が投了を告げた。
感想戦では、戦いが始まってからの局面が中心に検討された。堅陣を築いた三浦九段が順調に攻めているように見えたが、ギリギリの攻防が続いていたという。三浦九段は度々目元を手で押さえ、「そうかー」とつぶやいた。
8強入りを決めた渡辺棋王は「予想していない形になり、守勢になってしまった。苦しくなったが、△5二同玉で良くなった。もう一局あるので、勝ち進めるようにしたい」。勝利への執念が実を結んだ逆転劇だった。
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準決勝と決勝は、2月17日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールを会場に公開対局で行われます。チケットの販売方法や発売日などは近く、紙面や朝日新聞デジタルでお知らせします。(村瀬信也)
情報源:渡辺棋王、勝利への執念 逆転劇で三浦九段破る 朝日杯:朝日新聞デジタル
ふむ・・・
第11回朝日杯将棋オープン戦中継|本戦トーナメント:朝日新聞デジタル