歩は「毒まんじゅう」だった 広瀬八段押し切る 朝日杯:朝日新聞デジタル

112手まで、広瀬章人八段 の勝ち。


第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦1回戦、菅井竜也王位―広瀬章人八段戦が26日午後2時から、東京都渋谷区の将棋会館で指され、112手で後手番の広瀬八段が勝った。広瀬八段が相手陣の隙を突いた歩の垂らしからリードを奪い、押し切った。

昨年ベスト4の広瀬は、規定により本戦シードでの出場。昨年、熊本市で指された公開対局では1回戦、羽生善治三冠を破った戦いが記憶に新しい。一方の菅井は1次予選から出場し、谷川浩司九段や豊島将之八段らを破って勝ち上がってきた。朝日杯では準優勝の経験がある強者だ。

対局開始を待つ菅井竜也王位(左)と広瀬章人八段=26日午後1時48分、東京都渋谷区の将棋会館、村上耕司撮影

ふたりの対戦は過去1局だけ。2015年の王位戦挑戦者決定戦で対戦し、広瀬が勝って羽生善治王位(当時)への挑戦権を獲得した(王位戦七番勝負は羽生王位には1勝4敗で負け)。菅井、広瀬はその後もリーグに残り、昨年は挑戦権を獲得した菅井が見事、羽生王位を4勝1敗で破って初タイトルを手にした。広瀬は7期前に王位を取っており、朝日杯本戦の1回戦は新旧王位の対戦となった。

本戦1回戦で菅井竜也王位に勝ち、2回戦に駒を進めた広瀬章人八段=26日午後3時57分、東京都渋谷区の将棋会館、村上耕司撮影

振り駒は歩が3枚出て菅井の先手。▲7六歩△8四歩に、菅井が▲2六歩と飛車先の歩を突いて相懸かり模様の出だしに。振り飛車が多い菅井にしては珍しく、広瀬は「全然予想してなかった」という。

〈途中図〉△7四飛まで

出だしで駒組みが遅れていた広瀬が徐々に盛り返して迎えたのが途中図。ここで菅井は▲8七金と歩を取ったが、これが「毒まんじゅう」だった。一見、歩を取りながら7六の歩を守って調子が良さそうだが、自陣に隙ができた。すかさず広瀬に△7八歩と垂らされ、以下▲8八角と守ったものの△8四銀▲4八玉△7九歩成▲同角△8五銀と攻められ、劣勢に立った。菅井は「▲8七金がだいぶ悪い手だった可能性があります」と振り返った。途中図では▲7七桂としておけばまだまだの戦いだった。

〈終了図〉△4五桂打まで

これ以降、菅井も粘り強く戦ったが、広瀬の攻めが的確で、広瀬がリードを保ったまま押し切った。終了図以下、▲4六玉は△5七銀▲3五玉△3七桂成から先手玉は詰み。▲6七玉と逃げれば詰まないが、△7六銀▲5八玉△6六馬で一手一手となる。

広瀬はこれで2回戦(準々決勝)に進出。次の相手は渡辺明棋王だ。「今年もベスト4を目指して頑張りたい」と話した。

準決勝と決勝は、2月17日に東京都千代田区の有楽町朝日ホールを会場に公開対局で行われます。チケットの販売方法や発売日などは近く、紙面や朝日新聞デジタルでお知らせします。(村上耕司)

情報源:歩は「毒まんじゅう」だった 広瀬八段押し切る 朝日杯:朝日新聞デジタル


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