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将棋で史上初の「永世七冠」を達成し、国民栄誉賞授与が正式に決まった羽生善治(はぶ・よしはる)棋聖=竜王=が5日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で記者会見した。報道陣との主なやりとりは以下の通り。
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–まずは一言お願いします
「本日、国民栄誉賞というたいへん栄誉ある賞の知らせを受け、驚きと同時にうれしく思っています。将棋の長年にわたる歴史の積み重ねというものも、併せて評価していただけたのでは。名誉ある賞をいただき、いっそう棋士として精進していかなくてはいけないな、という思いを持っています」
「囲碁の井山(裕太十段=七冠=)さんが同時に受賞されました。井山さんは、初めてタイトルを取られた20歳の頃から交流がありますが、ずっと変わらず、安定して活躍されています。現在進行形で囲碁の歴史を作られている棋士だと思っています。その方と同じ日にこの賞をいただけるのは、私にとっても大きな誇りになりました」
–ご家族には報告されましたか
「今日は1日、かなりせわしなくて…。まだ連絡が取れていない状態です。今日の仕事が全て終わってから、家に帰ってゆっくり報告をしたいと思っています」
情報源:【国民栄誉賞】羽生善治棋聖会見(1)「いっそう棋士として精進しなくては」 家族への報告は「家に帰ってゆっくり…」
–囲碁の井山裕太十段と同時受賞が決まり、安倍晋三首相が「歴史に刻まれる偉業を達成し、国民に夢と感動を、社会に明るい希望を与えた。ますますの活躍を期待したい」とたたえました。その言葉を受けての感想と、今後の棋士としての抱負を
「将棋の世界も囲碁の世界も、小さいお子さんから年配の方まで、幅広く気軽に楽しめるものだと思っています。これを機に、たくさんの人たちに将棋や囲碁を楽しんでもらえる環境をつくっていけたらいいな、と思います」
「また、棋士としては私もすでに40代です。最近は、非常に強くて若い棋士の人たちとの対局も増えていて、厳しい環境に置かれています。ただ、将棋という競技は、たくさん経験を積めばいいとか、ただ若さがあればいいというわけではありません。総合的なものが問われる競技だと思っています。自分自身が積み重ねてきたことを、これから先も棋士として、ファンの皆様に伝えていくことができれば、という気持ちです」
–今後の具体的な目標については
「具体的な目標でいうと、公式戦1400勝というのが近くなっていますので、そこを目標にしていきたいと考えています。その先のことは、どういうふうになるのか想像がつかないというのが率直なところですが、1年1年、息長く活躍できるような棋士になれるよう頑張っていきたいと考えています」
《1月4日現在、羽生棋聖の通算成績は1391勝563敗。勝率は7割を超えており、現役棋士の中でも1位を保ち続けている》
情報源:【国民栄誉賞】羽生善治棋聖会見(2)「将棋は総合的なものが問われる競技」 – 産経ニュース
–棋士としての哲学や、一貫して心がけてきたことは
「将棋の世界は、非常に変化の早い世界だという認識を持っています。ですから、過去にどんな実績があろうとも、いまある流れというか、潮流に乗り遅れてしまうと、取り残されてしまうことが常にあります」
「自分としては、負けることがあっても、結果が出ないことがあっても、常に挑戦していく気持ちというか、自分なりに思い切ったことをやっていこうという気持ちを極力失わないよう、続けてきたつもりです。時にはちょっと保守的になってしまうこともあるのが実情ですが…」
–羽生さんがデビューされたころと現在とでは、将棋の環境や魅力はどう変わりましたか
「私が棋士になって30数年たちますが、将棋の世界を取り巻く環境は本当に変わったと思っています。さまざまなメディアや形で将棋を取り上げていただいたり、(ネットの)中継があったり、(自分では)将棋を指さないけれども、見る(ことが好きな)ファンの人たちが増えたり…。環境は大きく変わってきました」
「これからも、たくさんの人が忙しい日々を送るなか、生活の合間合間の憩いのひとときとして、将棋があり続けられたらいいな、と個人的には考えています。そのための環境も、これからは大事になっていくと思います」
–国民栄誉賞はこれまでに24個人・団体が受賞。国民栄誉賞と聞いて、まずイメージする方は
「最初にイメージするのは、野球の王(貞治)選手です。というのも、ちょうど私が小学生くらいの頃、ホームランの(世界)記録が非常に騒がれていた時期でして。そういう意味では、自分の中では王選手が印象的です。ただ、まさか自分自身がそういう賞をいただけるようになるとは、夢にも思っていませんでした。今回の出来事はたいへん驚いていますし、同時にありがたいことだなとも思っています」
情報源:【国民栄誉賞】羽生善治棋聖会見(3)「国民栄誉賞といえば王選手。まさか自分が…」(1/2ページ) – 産経ニュース
–「国民に夢や希望を与えた」が、選考基準。ご自身が将棋を通じ、多くの人に夢や希望を与えたことについて、どう感じていますか
「私自身は将棋を一生懸命指していて、ファンの方々がどう受け取ってくださるのかを深く知ることは、なかなかありません。ただ、少しでもそういったこと(夢や希望)を感じていただけるのなら、棋士冥利に尽きることだ、と考えています。(今回の受賞は)これから先、『そういうものを作れるように』という“激励”の意味があったのではないかな、と私自身は受け止めています」
–昨年12月に永世七冠を達成。周囲からの反応で印象に残ったことは
「昨年、竜王戦が終わった後から、本当にたくさんの方々から祝福のメッセージをいただきました。こういう人たちの支えや応援があったからこそ、(永世七冠を)達成できたんだなあと、しみじみと実感しました。また、自分自身がこれから先、前に進んでいく原動力にしなくてはいけないな、とも思いました」
–羽生さんが将棋に集中するために、ご家族、特に奥様はどのようなサポートをされていますか
「棋士という職業は、普段は地道な活動が非常に多いわけですが、実際(の対局)はかなり長丁場で、体力も使いますので、食事の面で気をつけてくれています。和服を着て対局するタイトル戦の時も、きっちりと準備してくれるなど、万全の態勢で対局に臨めるよう、細かく気を使ってくれています。本当にありがたいなあ、と思っています」
–19歳で初タイトル(竜王)を取り、昨年に永世七冠を達成。今年で48歳になる羽生さんが、将棋界のトップを走り続けられる秘訣は
「いつも思っていることは、例えばマラソンを走っているとして、常にトップでいる必要はないが、トップ集団にいることが大事だ、ということです。その集団で切磋琢磨し、その時々の流行や最先端のもの(戦術)を取り入れながら前に進んでいくことを、心がけてきたつもりです」
情報源:【国民栄誉賞】羽生善治棋聖会見(4完)「常にトップでいる必要はない。トップ集団にいることが大事」(1/2ページ) – 産経ニュース
https://www.youtube.com/watch?v=9vxD7Q5b16U
https://www.youtube.com/watch?v=t61zIl8G364
https://www.youtube.com/watch?v=IWsH8KGWIic
おめでとうございます。
「【国民栄誉賞】羽生善治棋聖会見」への1件のフィードバック
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