へぇ……
2023.7/29 15:00
注目された藤井聡太七冠と、佐々木大地七段の十二番勝負は、先に始まった「ヒューリック杯棋聖戦」五番勝負の方で、まず決着がついた。
藤井が2勝1敗とリードして迎えた第4局は18日、新潟市の岩室温泉『高志(こし)の宿 高島屋』で行われた。ここは260年の歴史を持ち、数多くのタイトル戦が戦われた、趣のある和風旅館だ。
カド番となった佐々木が、先手番でどんな指し回しを見せるかが注目されたが、佐々木は最も得意とする相掛かり戦へと誘導する。
中盤に入らんとする局面で、佐々木は見たことがない端への桂跳ねを決行した。
飛車を追う手が決め手になるときには、よく使われる手だが、序盤から跳ねたのは、第3局で藤井に意表の端桂で、ペースを握られたことへのリベンジだったかもしれない。
しかしあまりうまくいったとは思えず、局面は次第に藤井ペースになっていく。
ところが終盤で飛車を取り合う前に、藤井が一旦は利かした歩を成り捨てた手が緩く、いきなり佐々木に勝機が来た。
しかしその最善手は人間にはいかにも指しにくい手で、AIと棋士の研究によって導かれた勝ち筋だった。それを局後、立会人に指摘された藤井から「ヒエー」という言葉が出たという。
「天才ですね。そういう手が見えなければ、勝てないのか」と佐々木は納得したかのようだった。本人にすれば、勝ちが出たとは思っていなかったようで、ここが藤井の終盤の信用である。
藤井とて、すべてが完璧ではないのだが、藤井が悪手を指したと気付ける人はいないのだろう。
これで藤井は棋聖防衛となり、次は「伊藤園お~いお茶杯王位戦」の防衛だが、こちらも七番勝負で2連勝と、防衛に大きく前進している。
後は王座戦の挑戦者決定戦で勝つことだが、これを敗れるともう一年、すべてのタイトルを防衛した上で、再度王座戦の挑戦権をつかみに行かねばならない。
待ち構える永瀬拓矢王座にしても、ただ防衛を目指すのでなく、竜王戦で現在挑戦者決定戦まで進出し、防衛の勢いで、竜王奪取も狙っているのだ。
藤井が前人未到のここまで来ても、なおかつ全冠制覇には、険しい道のりが残っているのである。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】藤井聡太七冠の棋聖防衛、悪手を指したと気付ける人は…最善手は人間には指しにくい手 全冠制覇へ険しい道のり(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
ほぉ・・・
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