順位戦
2023.6/24 15:00
6月に入り、順位戦が各クラス順序良くスタートした。
3月が前年度の最終だったから、3カ月ぶりの順位戦だ。その間にそれぞれ研究を重ね、満を持して対局に臨んだことと思う。
トップで13日から始まったのが、C級1組。このクラスの注目は昨年、最終局に負けただけでまさかの昇級を逃した、伊藤匠六段だ。
相手は関西の出口若武六段で、女流棋士の北村桂香女流二段と結婚して、まだ新婚ほやほや。
将棋は伊藤が相掛かり戦からうまく指し回し、リードを保っていたが、出口の粘り強い指し回しにいつしか逆転。最後は一気に伊藤玉に迫って、出口が大きな1勝を挙げた。
出口も昨年、叡王戦の挑戦者となったくらいの実力者だから、新婚と合わせて、張り切っているだろう。順位も3位と条件も良く、今年の注目株となるだろうか。
C1には、前期大活躍の服部慎一郎六段もいるが、片上大輔七段相手にキッチリ勝って、幸先良いスタートを切った。
また翌14日は、A級も豊島将之九段―稲葉陽八段戦からスタートした。名人戦が5局で終わったので、棋譜掲載の関係から、早めにスタートする必要があったのだ。
この将棋は、後手の稲葉が形を乱してまで先手の飛車を取りにいった構想が無理で、先手にうまくしのがれてはただ薄いだけの陣形となり、自然な攻めを続けた豊島が寄せ切った。
続いて15日はC級2組の開幕で、このクラスは人数が多く、2日に分かれて対局がある。
注目は、現在ダブルタイトルマッチを戦う佐々木大地七段で、難しい将棋だったが、井田明宏四段相手に貫禄を見せて勝利した。
将棋は一度「この人には勝てないのでは」と思わせたら、面白いように勝てるもので、現在佐々木は、そういう棋士になりつつある。
まだ1局だが、C級は1敗で昇級を逃すこともあるので、初戦は大きい。
また同日はB級1組の対局もあり、将棋連盟の会長となった羽生善治九段の将棋が注目された。前期は若手に押されっぱなしに見えた一年だったが、今期は有望株の大橋貴洸七段相手に、悪くなっても最善手で粘るうちに相手が間違え、最後は一気に大橋玉に襲い掛かって、勝利した。
前期の王将戦辺りから、再度羽生の全盛時代を思わせる将棋が見られるようになったとの声はあるが、会長職を務めながらタイトル戦に出ていた、大山康晴十五世名人のような活躍ができるのでは、という期待は大きい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】順位戦スタート 〝全盛時代を思わせる〟羽生善治九段、将棋連盟の会長兼任で活躍に大きな期待 (1/3ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
ほぉ・・・
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