第81期 名人戦七番勝負 第五局 2日目 渡辺明名人 対 藤井聡太竜王
朝日新聞YouTubeLive(2日目アーカイブ)
夕食休憩(17時)まで
解説:高見泰地七段
17時~(感想戦)
現地大盤解説中継(6月1日 10時から中継)
解説者:黒沢怜生六段
聞き手:中村桃子女流二段
2023/06/01 19:40
将棋の第81期名人戦七番勝負第5局が5月31日・6月1日の両日、長野県高山村の「緑霞山宿 藤井荘」で指され、藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が渡辺明名人(39)に勝利した。この結果、シリーズ成績を4勝1敗として名人位の奪取に成功。藤井竜王は、谷川浩司十七世名人(61)が保持していた21歳2カ月の記録を更新し、20歳10カ月での最年少名人となった。さらに、本タイトルの獲得で七冠保持者に。羽生善治九段(52)が1996年2月に25歳4カ月で達成した以来、史上2人目の快挙となった。
この勢いはもう誰にも止められない。藤井竜王が、初挑戦した名人戦七番勝負で偉業を達成した。前期は、初参戦した順位戦A級を7勝2敗で駆け抜け、プレーオフの末に挑戦権を獲得。谷川十七世名人が保持していた21歳2カ月の最年少名人更新のためには、わずか1期しかチャンスのなかった狭き門をこじ開け、七番勝負の舞台に上がった。向かうは名人3期の渡辺名人とただでさえ厳しい番勝負に加えて、藤井竜王は防衛戦の叡王戦五番勝負を同時に戦うハードスケジュールに身を置いていたが、4月に行われた第1・2局で連勝。第3局は渡辺名人に屈したものの、第4・5局を制し念願のタイトルを手にした。
本シリーズは、渡辺名人が全局で力戦に持ち込み、決着局となった第5局は渡辺名人の先手で矢倉対雁木の戦いに。藤井竜王が奪取に“王手”をかけカド番に追い込まれた渡辺名人だが、作戦巧者らしい細かな工夫を散りばめて前例を離れ、力戦へと展開した。難解な中盤戦では封じ手の手番をめぐってかけ引きが行われ、渡辺名人が定刻の約15分前で桂馬を跳ねて手番を後手へと渡した。解説陣も「相当な勝負所。本局で一番難しい局面」とコメントを残しており、名人の作戦に沿った進行と見られていた。
2日目に入ると互いに長考合戦に。少しでも踏み外せば大きくバランスを損なう繊細な終盤戦の入り口とあり、慎重に読みを入れて攻め合いへと発展していった。渡辺名人は、強く飛車を走ってじわりとリードを拡大。やや苦しそうな表情を見せた藤井竜王は、2枚の角を投入して勝負を決断した。
渡辺名人はいよいよ後手玉の動きを封じるため後手玉に王手で迫ったが、ここから流れは挑戦者側へ。ABEMAの中継に出演した広瀬章人八段(36)は、「(渡辺名人に)何か誤算があったのではないか」とコメントしていた。優勢に立った藤井竜王は、角の利きを活かしたラストスパートで先手玉を圧倒。最後は飛車打ちから押し切り、盤石の差し回しで勝利を飾った。シリーズ成績は4勝1敗だった。
初の名人位を獲得した藤井竜王は、「まだ実感は無いですが非常に嬉しく思いますし、重みのあるタイトルだと思うので、それにふさわしい将棋を指さなければという思いです。(名人位は)順位戦を一つずつ上がっていかなければならないので、それを一歩ずつ上ってくることが出来たという嬉しさはあります」と喜びを語った。
一方、3期保持した名人を失冠した渡辺名人は、「4局目5局目と負けた将棋の内容が特に悪かったので、そこが残念。負けた将棋が特にチャンスも少なかったので、こういう結果になるのは仕方がないのかなと思います」と静かに語った。
この結果、藤井竜王は20歳10カ月の最年少で名人位と史上2人目の七冠獲得とダブルで偉業を達成。さらには、史上5人目の「竜王名人」の獲得と、若き絶対王者が金字塔を並び打ち立てた。羽生九段が七冠制覇した1996年当時はタイトル数が7つだったことに対し、現在は全8タイトルに。藤井竜王が残る「王座」を獲得した場合は、史上初の八冠王が誕生することになる。休む間もなく、次戦は中3日の6月5日には自身初の海外対局となる防衛戦の棋聖戦五番勝負が開幕。誰も見たことのない新たな世界へ、若き絶対王者の更なる飛躍は留まるところを知らない。
◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦。渡辺明棋聖(当時)を破り、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王2期、名人1期、王位3期、叡王3期、棋王1期、王将2期、棋聖3期の通算15期。2022年度には全4つの一般棋戦を制覇し、棋戦優勝は9回となった。第81期名人位の獲得により、20歳10カ月で最年少名人と史上2人目の七冠獲得を同時達成した。通算成績は326勝65敗、勝率は.8337。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:藤井聡太竜王が最年少名人&史上2人目の七冠達成 渡辺明名人に4勝1敗 20歳10カ月でダブル快挙/将棋・名人戦七番勝負 | ニュース | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
2023/06/01 21:55
将棋の第81期名人戦七番勝負第5局が5月31日・6月1日の両日、長野県高山村の「緑霞山宿 藤井荘」で指され、渡辺明名人(39)が藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)に94手で敗れた。この結果シリーズ成績を1勝4敗とし、3期保持した名人位を失冠。2004年に初タイトルとなった竜王位獲得以来、19ぶりの無冠となった。
【映像】藤井聡太“新名人” 誕生の瞬間
若き六冠保持者の藤井竜王を挑戦者に迎えた今期のシリーズでは、全5局で力戦を選択。作戦巧者の渡辺名人らしく前例のない将棋へと誘導したが、白星は第3局でのわずか1勝。本局では渡辺名人の矢倉と藤井竜王の雁木が激突したが、終盤で長考の末に強く踏み込む決断をした渡辺名人にわずかにミスが出て、流れは一気に挑戦者側へ。藤井竜王は最後まで緩むことなく冷静な差し回しを見せて押し切ると、渡辺名人ははっきりと「負けました」と口にして投了を告げた。
終局後、渡辺名人は敗因について「(藤井竜王の角出が)局面としても一番複雑だったかなと思うので、そこで長考した結果間違えてしまったのかなと思う」。シリーズを通しては、「4、5局目で負けた将棋の内容が特に悪かった。そこは残念」と振り返って肩を落とした。さらに、藤井王将との対戦については「息が長い将棋になることが多かったが、局面が難しくなってきたときに差が出てしまった」とし、保持していたすべてのタイトルを失ったことについては「この3年くらいのタイトル戦の戦いからすると、こういう結果になるのも当然。力が足りなかった」と静かに語った。
渡辺名人は、2004年に自身初タイトルとなる竜王位を獲得。初戴冠から無冠時代が無く将棋界のトップを走り続けてきたが、19年ぶりにすべてのタイトルを失う結果となった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:渡辺明名人「力が足りなかった」 3期保持した名人位を失冠 19年ぶりに無冠に/将棋・名人戦七番勝負 | ニュース | ABEMA TIMES | アベマタイムズ
2023/06/01 19:41
将棋の第81期名人戦七番勝負第5局が5月31日・6月1日の両日に行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が渡辺明名人(39)を4勝1敗で破り史上最年少の20歳10カ月で名人位を獲得した。さらに、保持するタイトルに名人位が加わったことで七冠に。羽生善治九段(52)が1996年2月に25歳4カ月で達成した以来、史上2人目の快挙となった。
藤井竜王の快挙達成に、歴代名人で日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(53)、これまで21歳2カ月での年少記録保持者だった谷川浩司十七世名人(61)、七冠経験者の羽生善治九段(52)が、日本将棋連盟を通じてそれぞれコメントを発表。39年11カ月ぶりの最年少名人記録更新に、谷川十七世名人は「40年前の言葉をもう一度使わせて頂くと、中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、無事、藤井新名人にお渡しできた、という心境」と語った。
3名のコメントは以下の通り。
◆佐藤康光日本将棋連盟会長
「この度は名人位獲得並びに史上最年少での七冠達成、誠におめでとうございます。防衛を積み重ねながら、挑戦し数を増やしておられる現状は想像を絶します。タイトル全冠制覇も視野に入ってこられたかと思いますが、益々体調にご留意され、更なるご活躍を期待いたします」
◆谷川浩司十七世名人
「記録というのはそれに相応しい人が持つべき、と考えるようになりました。40年前の言葉をもう一度使わせて頂くと、中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、無事、藤井新名人にお渡しできた、という心境です。名人獲得と七冠達成を心よりお慶び申し上げます」
◆羽生善治九段のコメント
「藤井竜王、史上最年少での名人獲得と七冠達成、誠におめでとうございます。前人未到の大記録の達成は、将棋に興味を持つ子供たちに大きな夢と希望を与えます。これからも将棋の魅力を伝えるフロントランナーとして更なる飛躍を遂げ活躍される事を期待しています」
藤井聡太、史上最年少で名人&七冠獲得
5月31日(水)、6月1日(木)に長野県上高井郡高山村「緑霞山宿 藤井荘」で行われた、第81期名人戦七番勝負第5局で藤井聡太竜王(20)が渡辺明名人(39)に勝ち、4勝1敗で名人を奪取しました。これにより谷川浩司十七世名人(61)の保持していた名人の最年少記録(21歳2カ月)を39年11カ月ぶりに更新しました。
また、同時に藤井は20歳10カ月で七冠を達成し、羽生善治九段の保持していた七冠の最年少記録(25歳4カ月)を4年6カ月早く更新しました。どちらも史上最年少の快挙です。
七冠達成者一覧(年少順)
2023年6月1日現在
No. 棋士名 獲得タイトル名(獲得順) 生年
月日七冠
達成日七冠
達成時
の年齢七冠目の
タイトル
と最終局1 藤井聡太
(現役)棋
聖王
位叡
王竜
王王
将棋
王名
人2002年
7月19日2023年
6月1日20歳
10カ月第81期名人
第5局2 羽生善治
(現役)棋
王王
座棋
聖王
位名
人竜
王王
将1970年
9月27日1996年
2月14日25歳
4カ月第45期王将
第4局【佐藤康光日本将棋連盟会長のコメント】
この度は名人位獲得並びに史上最年少での七冠達成、誠におめでとうございます。防衛を積み重ねながら、挑戦し数を増しておられる現状は想像を絶します。タイトル全冠制覇も視野に入ってこられたかと思いますが、益々体調にご留意され、更なるご活躍を期待いたします。
【谷川浩司十七世名人のコメント】
記録というのはそれに相応しい人が持つべき、と考えるようになりました。40年前の言葉をもう一度使わせて頂くと、中原十六世名人からお預かりした最年少名人の記録を、無事、藤井新名人にお渡しできた、という心境です。名人獲得と七冠達成を心よりお慶び申し上げます。
【羽生善治九段のコメント】
藤井竜王、史上最年少での名人獲得と七冠達成、誠におめでとうございます。前人未到の大記録の達成は、将棋に興味を持つ子供たちに大きな夢と希望を与えます。これからも将棋の魅力を伝えるフロントランナーとして更なる飛躍を遂げ活躍される事を期待しています。
情報源:藤井聡太、史上最年少で名人&七冠獲得|将棋ニュース|日本将棋連盟
渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する 第81期名人戦七番勝負第5局が、5月31・6月1日(水・木)に長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」で行われ、藤井竜王が94手で渡辺名人に勝ち、4勝1敗で名人位を奪取しました。
また、藤井新名人は谷川浩司十七世名人が達成した名人獲得最年少記録(21歳2カ月)を更新し、20歳10カ月で名人を獲得しました。
情報源:藤井聡太竜王が渡辺明名人に勝ち名人位を奪取 第81期名人戦七番勝負第5局|将棋ニュース|日本将棋連盟
七番勝負の日程
【ニュース速報】
藤井聡太竜王 史上最年少で「名人」獲得
同時に史上2人目の「七冠」達成#アベマニュース— ABEMAニュース (@News_ABEMA) June 1, 2023
藤井聡太竜王が最年少名人&史上2人目の七冠達成 渡辺明名人に4勝1敗 20歳10カ月でダブル快挙/将棋・名人戦七番勝負#名人戦#最年少名人#藤井聡太竜王#渡辺明名人https://t.co/xyDKAFPvcP
— ABEMA将棋ch(アベマ) (@Shogi_ABEMA) June 1, 2023
#藤井聡太 竜王の勝利
【第81期 #名人戦 七番勝負第5局】
●渡辺明名人 VS ○藤井聡太竜王
第81期名人戦七番勝負第5局が、5月31日、6月1日(水・木)に長野県上高井郡「緑霞山宿 藤井荘」で行われ、藤井竜王が94手で渡辺名人に勝ち、4勝1敗で名人位を奪取しました。 https://t.co/aqCtgbiH9N
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) June 1, 2023
▲渡辺明名人-△藤井聡太竜王
☖8七銀を見て、渡辺がすぐに投了した。この銀打ちは☖8八角成☗同金寄☖7九角成までの詰めろで、(1)☗8七同銀は☖7九角成☗同金☖8八金まで、(2)☗8七同金は☖8八角成☗同金引☖7九角成☗9八玉☖8八馬☗同玉☖9六桂☗8七玉☖8九飛成☗7七玉☖8六竜☗6八玉☖5九銀☗同玉☖4八金☗6八玉☖5八金打☗7九玉☖8八竜まで、(3)☗6九歩は☖8八角成☗同金上☖6九飛成☗7九角☖同角成☗同金☖7八銀打☗同金寄☖同銀不成☗9八玉☖8七金まで、(4)☗6八歩は☖8八角成☗同金寄☖9七桂☗同香☖9八銀打☗同金☖7九飛成☗同玉☖7八金と、いずれも詰みがあり、適当な受け方が難しい。一方の後手玉は、まだ余裕がある格好だ。 終局時刻は18時53分。消費時間は☗渡辺8時間32分、☖藤井7時間36分。これによりシリーズ成績は藤井の4勝1敗になり、名人奪取が決まった。20歳10ヶ月での名人獲得は、谷川浩司十七世名人の持つ21歳2ヶ月という記録を更新する史上最年少記録だ。また、藤井の保持するタイトルはこれで竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖の七つになり、羽生善治九段に続いて史上二人目の七冠達成者が誕生した。羽生九段の七冠達成は25歳4ヶ月のときなので、藤井はこちらの最年少記録も更新したことになる。名人を失った渡辺は、2004年に自身の初タイトルである竜王を獲得して以来、約18年半ぶりに無冠になった。 ※局後の感想※ 67手目☗4五銀の辺りは藤井は苦しさを感じており、渡辺としても自身が少しよいかもしれないと思っていたようだが、先手の具体的な指し方も簡単ではなかった。検討が行われたのは72手目☖6六角の局面までで、渡辺が「いずれにしても、この局面は6六角を取るべきでしたね、そのあと分かんないけど、何か……」とまとめて、20時過ぎに感想戦終了となった。
18時53分 終局
94手 8七銀まで、△藤井聡竜王 の勝ち
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- 第78期将棋名人戦七番勝負 ライブ中継:朝日新聞デジタル
奪取なるか?
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