終盤の長考
2023年5月15日 11時19分
勝利宣言までの93分、歓声が上がった控室 将棋担当記者・北野新太の目
とても珍しい光景だった。
午後7時34分、渡辺名人の指先が駒台に向かい、▲3三角が着手されると控室で「おお!」と歓声が上がった。
最終盤で本局最長の93分を投入し、自玉の不詰みを読み切ってから指した「勝利宣言」の一手だった。
6時1分から1時間33分、棋士や関係者たちは控室の巨大なモニターで対局室映像を見守っていた。正着を指し、渡辺名人は勝利に向かうだろう、と。ところが、名人は盤上を見つめたまま考慮に沈んでいる。
勝勢となった最終盤での長考は極めて珍しい。万に一つでも間違えるわけにはいかない、万に一つでも勝ちを逸するわけにはいかないのだ、とモニター上の名人が語りかけてくるような時間だった。読み切らなければ、頓死することになる。敗れればカド番に追い込まれ、窮地に陥る。薄氷の世界を最後に看破した。
終局直後の取材。あの93分の間、どんな心境で局面を読んでいたかを尋ねた。
「踏ん切りがつかなかった。行く決断ができなかったんです」
シンプルだったが、重い言葉にも聞こえた。
打ち上げが終わった後、勝負から少し時間が経った後で再び問い掛ける。ビールに顔を赤らめ、陽気な様子の名人を見るのは今シリーズ初めてだった。
決断の手は、1分で決めていた。残り92分の思考とは。そして脳裏によぎった羽生善治九段との記憶とは。北野新太記者が終局後の渡辺名人に取材しました。
情報源:【詳報】渡辺明の93分 長考中によぎった9年前、羽生善治との記憶:朝日新聞デジタル
渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する 第81期名人戦七番勝負第3局が、5月13・14日(土・日)に大阪府高槻市の「高槻城公園芸術文化劇場」にて行われ、渡辺名人が87手で藤井竜王に勝ち、対戦成績を1勝2敗としました。
第4局は、5月21・22日(日・月)に福岡県飯塚市の「麻生大浦荘」にて行われます。
詳しくは、ABEMA、名人戦棋譜速報及び日本将棋連盟ライブ中継をご覧ください。
情報源:渡辺明名人VS藤井聡太竜王 第81期名人戦七番勝負第3局 渡辺明名人の勝利|将棋ニュース|日本将棋連盟
七番勝負の日程
#渡辺明 名人の勝利
【第81期 #名人戦 七番勝負第3局】
○渡辺明名人 VS ●藤井聡太竜王
第81期名人戦七番勝負第3局が、5月13・14日(土・日)に大阪府高槻市の「高槻城公園芸術文化劇場」にて行われ、渡辺名人が87手で藤井竜王に勝ち、対戦成績を1勝2敗としました。 https://t.co/ni3yfAxeIB
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) May 14, 2023
▲渡辺明名人-△藤井聡太竜王
☗2一飛の局面で藤井が「負けました」と投了を告げた。 以下は☖4二玉☗5一角☖5二玉☗7三角成が一例で、後手玉は一手一手である。 終局時刻は20時20分。消費時間は☗渡辺8時間29分、☖藤井8時間58分。 渡辺にとっては連敗を止める大きな1勝。この結果、七番勝負は藤井の2勝1敗となった。 次戦、第4局は5月21、22日(日、月)に福岡県飯塚市「麻生大浦荘」で行われる。
20時20分 終局
87手 2一飛まで、▲渡辺明名人 の勝ち
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渡辺明名人い初日
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