ついに・・・
2023.4/29 15:00
将棋界では次々と有望な若手棋士が現れているが、今回は今まであまり取り上げられなかった、今年活躍するであろう棋士を紹介したい。
棋士になってすぐに、勝率の上でロケットスタートが切れないと、上まで上がるのは大変なことは、何度も指摘してきた。
その条件は、コンスタントに勝率が7割台を維持すること。しかし最初は7割を超えていても、勝ち進んで強い相手と戦うようになると、誰しも自然に勝率は落ちてくる。
しかし今回紹介する佐々木大地七段は、2016年にフリークラスで四段に昇段して以来、いまだに勝率が7割ラインから落ちていないのだ。また将棋大賞では、2018年度に最多勝利賞、翌年度には最多対局賞を獲得し、正に成績から見れば、トップ棋士以上なのである。
それでも佐々木が今まであまり注目されなかったのは、7年在籍しているC級2組順位戦で毎年好成績を挙げながら(前期は8勝2敗で次点)、昇級できないことが原因だろう。
佐々木は長崎県対馬市の生まれ。対馬出身の初めての棋士である。師匠は同じ長崎県佐世保生まれの、深浦康市九段。小学校5年で師匠と出会い、プロになるため一家で横浜に転居してから、奨励会に入った。
地方出身者は、プロを目指すのに相当なハンディがある。北海道出身の屋敷伸之九段、広瀬章人八段らも、親が首都圏に出て来ているし、森下卓九段などは、親でなく、祖母と2人で北九州から上京した。
師匠の深浦は、親戚の家に預けられたが、中学卒業と同時に一人暮らしを始めたと聞く。
また中学生から一人暮らしをした行方尚史九段(津軽出身)は、持病のぜんそくで何度も救急車で運ばれたことがあった。
その意味では親と出てきた佐々木は恵まれているが、地方出身者らしく師匠同様、根性のある棋風だ。
この原稿を書いている24日、「ヒューリック杯棋聖戦」の挑戦者決定戦で、永瀬拓矢王座に快勝し、初のタイトル戦出場を決めた。他に「伊藤園お~いお茶杯王位戦」でも、挑戦者決定リーグの白組で4連勝していて、挑戦者になる可能性は高い。
今までためていたマグマが、一気に噴き出したかのような活躍に、佐々木への期待は大きい。
藤井聡太棋聖との五番勝負第1局は、初のベトナム対局となるが、『藤井キラー』といわれた師匠の後を継げるかが楽しみな棋聖戦となった。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】佐々木大地七段〝マグマ噴出〟の勢いで棋聖戦挑戦者に 藤井聡太棋聖との五番勝負第1局は初のベトナム対局(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
▲佐々木大地七段-△永瀬拓矢王座(棋譜中継)
永瀬はマスクをつける。そして投了を告げた。後手は攻防ともに見込みがない。終局時刻は19時58分。消費時間は☗佐々木3時間44分、☖永瀬3時間59分。 佐々木は初のタイトル挑戦を決めた。五番勝負の第1局は6月5日(月)にベトナム・ダナン「ダナン三日月」で行われる。 ■ABEMA■ 星野良生五段>永瀬王座は角を使うために3筋の歩を捨てましたが、その歩得のリードを徐々に佐々木七段が広げていった印象です。はっきりよくなってからは危ないところがなく、佐々木七段が完勝で初タイトル挑戦を決めました。 ※局後の感想※ 力戦形になって構想力が問われる戦いになり、佐々木が作戦勝ちを収めてそのまま押し切った。 永瀬「差が詰まったと思った局面はなかったです。序盤が重要で昼食休憩明けに選択肢があると思いましたが、☖3二玉・☖3一角と引くような駒組みがいいんですね。本譜は全体的に苦労していました。2二角の使い方が大事で、3六に銀が威張ったままだと、☖4三金寄とできなかったです」
19時58分 終局
165手 4三馬まで、▲佐々木大七段 が挑戦権獲得
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今季こそ、順位戦上がりたいね。
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