2023年度四月1日付の新四段3名
2023.4/9 10:00
4月に入ると、将棋界も新年度となる。この4月から棋士となるのは、2022年度後期三段リーグを抜けた3人。この期は例年にない、まさに死闘と言うべきリーグだった。
三段リーグは年2回。基本は上位2人が昇段して棋士になれる規定だが、今期の3人とは、C級2組に上がった2人のほかに、次点2つでフリークラスの四段となった柵木(ませぎ)幹太四段がいるからである。
半年で18局の最終局を迎えた時点で、12勝5敗が8人並ぶという大混戦。もちろんこの時点で昇段者は決まっていない。
一位で抜け出したのは、東京都出身、戸辺誠七段門下の小山直希四段(23)。最終日は2連勝して、棋士の座をつかんだ。実際の師匠は指導棋士の飯島篤也五段で、自分の教室で強くなった子供がプロ志望の場合、知り合いの棋士を師匠として紹介するケースは多い。23歳だが、奨励会には10年在籍している。
次が兵庫県西宮市出身、小林健二九段門下の、森本才跳(さいと)四段(21)。こちらは小山より若いが、奨励会生活は半年ほど長い。
森本は小学校2年の時に小林教室に入ったが、アマ初段はなかったという。それでも5年生の時に、小学生名人となった。同門に池永天志五段、古森悠太五段、冨田誠也四段、徳田拳士四段といった、俊英がそろっているのも、刺激になっただろう。
小林門下は最近、続々と棋士を誕生させ、同門(板谷進九段門下)の杉本昌隆八段に「棋士の育成では兄弟子にはかなわない」と言わせたという。
もっとも小林は、藤井聡太六冠を米大リーグで活躍する大谷翔平選手になぞらえて「そうは言っても、君の所は大谷がいるじゃないか」と返して、互角だったとのこと。今もなお、新四段の西高東低は続いている。
前述の柵木は、増田裕司六段門下。年齢制限ギリギリの25歳(26歳で退会の規定)で、フリークラスの四段に滑り込んだ。こちらは奨励会13年半の長きを要した。
棋士になれるかどうか分からない中で、長年腐らずに緊張感を持ち続けるのは容易ではない。また震えも大敵で最後、これを勝てばプロになれるという一番に敗れ、去っていった人は数限りない。今期も最終局を勝てば、上がっていた人は別にいたのだ。
一つ言えるのは、最後まで平常心で指せる神経がなければ、三段リーグは抜けられないということだろう。
あおの・てるいち 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】2022年度後期の「三段リーグ」 例年にない死闘をくぐりぬけた3人が棋士に(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
フリクラ四段(古賀悠聖五段)がついにC級1組に昇級したからな。
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