小山玲央アマ
2023.2/19 10:00
昨年11月から始まった、小山玲央アマ(29歳)の棋士編入試験第4局が2月13日に行われ、横山友紀四段に勝って、3勝1敗で見事合格。フリークラスの新四段が誕生した。
今回と同じ制度での昇段者は、今泉健司五段、折田翔吾五段に続いて、3人目。過去の2人も3勝1敗での合格であり、2勝2敗で最終局まで行った人はいない。
この編入試験の試験官は、新しい方の四段から5人と決まっていて、今回の相手は、徳田拳士四段、岡部怜央四段に勝ち、狩山幹生四段に敗れての4局目だった。
4人とも有望棋士なだけに、彼らに勝っての合格は立派。2連勝したあたりで、将棋の内容を見た棋士仲間から「彼はかなり強いね」という言葉が聞かれるようになった。
最終局も、横山の四間飛車に対して居飛車穴熊で対抗し、中盤からずっとリードを奪って進めていた。最後決めに出るかと思われた局面で、急に勝ちが見えて震えたか、受けに回って一旦は難しくしたが、後を冷静に指して勝利した。
小山さんが震えるのも無理はない。子供の頃に奨励会試験を受け、社会に出てからも全国大会優勝者の権利で、三段リーグの試験を受けたほどなりたかった、プロ棋士だったからだ。
対局後のインタビューでも「夢をかなえることができて、本当にうれしく思います」という言葉が出てきた。
彼が前の2人と違うのは、奨励会を経験していないこと。リコーに勤務していて、純粋なアマが試験でプロになったのは初めてだ。
また岩手県出身の棋士誕生も、初めてである。これで東北地方は、全県出身棋士が出たことになる(福島県は生存棋士がいないが)。
とはいえ奨励会を目指す人で、最初から棋士になるだけが目的な人はいないはず。
三段リーグの頃は、まさに飢えた狼だったような少年が、棋士になった途端、安心して向上心がなくなり、遊び回って上がれなくなった例を、私は何人か見てきた。
現在はそういう人はいないだろうが、故芹沢博文九段が言った「四段になって喜んでいるような奴は、将棋連盟には要らない」の、言葉通りの棋士になってほしいと思うのである。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】小山玲央アマの編入試験 「奨励会未経験」の異色棋士が誕生(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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