伊藤匠五段
2022.12/25 10:00
将棋界の区切りは年度だが、年の終わりに今年活躍した若手棋士に、スポットライトを当ててみたい。
まず棋戦で勝ち上がったということでは、本欄で何度も取り上げた、伊藤匠五段の活躍が顕著だ。
棋王戦コナミグループ杯では本戦で永瀬拓矢王座などを破り、ベスト4まで勝ち上がったが、タイトル100期に執念を燃やす、羽生善治九段に討ち取られた。
敗者復活戦では、藤井聡太竜王と戦い、これまた羽生戦同様、見ている方が最後までどちらが勝ちか分からない、手に汗握る将棋を展開させてくれた。
もはや若手がトップ棋士の胸を借りると言うのでなく、完全に互角の戦いを演じられる棋士が多くなった、と私は見ている。
また大橋貴洸(たかひろ)六段も、相変わらずの活躍が続いている。今年は王座戦で藤井に勝つなどして、決勝に進んだものの、豊島将之九段に敗れて挑戦者になれなかった経験がある。
伊藤や大橋は、最後の一皮が剥ければ、タイトル戦の常連になる可能性はあるとみている。
話は飛ぶが、伊藤と大橋といえば、江戸時代には両家(大橋分家も入れて3家)からしか家元(名人)になれなかった姓である。
伊藤はこれまでもいたが、大橋とそろったのは今の時代が初めてで、2人は何かの縁があるのかもしれない。
今年勝ち方のすさまじかったのが、服部慎一郎五段。12月19日現在、対局数は2位の40局をはるかに超えた53局で、他に勝ち星、連勝の3部門でトップを走っている。
棋戦としては、叡王戦で挑戦者決定戦まで進んだが、出口若武(わかむ)六段に敗れ、藤井との五番勝負を逃している。また最近は、菅井竜也八段との決勝を制して、「伊藤園お~いお茶杯王位戦」のリーグ入りを決めた。
さらにもう一つの記録部門の勝率第1位は、徳田拳士四段が先頭で走っている。彼は山口県初の棋士で、この4月に昇段したばかりの新人。
現在30勝5敗、0・857という勝率は、デビュー当時の藤井を思わせる。8割からスタートした棋士は、どこまで伸びるか想像がつかない。
そして今回取り上げた棋士の多くが順位戦を7連勝で走っているのだ。B1の順位戦など、下から6人が50歳前後のタイトル経験者というのが、今日の将棋界を表しているのではないだろうか。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】今年活躍の若手棋士、トップと互角に戦った伊藤匠五段 いまや胸を借りるのではない、完全に互角の戦いを演じる棋士たち(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
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最後の一皮が剥ければ、タイトル戦の常連になる可能性はあるとみている。 #zakzak— zakzak (@zakdesk) December 25, 2022
ほぉ・・・
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