年内は順位戦と棋王戦の挑決二番勝負。
年明けからは王将戦か
2022.12/10 10:00
10月から始まった竜王戦七番勝負の第6局が2、3日に鹿児島県「指宿白水館」で行われ、藤井聡太竜王が勝ち、4勝2敗で竜王位を初防衛した。
挑戦者の広瀬章人八段は初戦を勝ち、藤井に七番勝負で初めて2つの黒星をつけたが、タイトル奪取はならなかった。
これで藤井は今年「ヒューリック杯棋聖戦」、「伊藤園お~いお茶杯王位戦」に続き、初戦を敗れたにもかかわらず、防衛に成功した。これで藤井は、タイトル戦は負けなしの11連勝。
私は広瀬が挑戦者となったこの竜王戦は、今までと違って、何かが起こるのではと期待していた。
それは広瀬が藤井との番勝負は初めてで、対局数も少なく、苦手意識を持っていないこと。そして何より、抜群の終盤力があり、一旦優勢になったら、藤井でも逆転できないことが理由だった。
正に第1局は、その通りの展開となった。角交換腰掛銀から広瀬が先攻。苦しいと感じた藤井は飛車を捨てて一気に寄せに出た。
藤井が飛車を捨てたからには、普通は寄っているだろうと思えたが、これはジリ貧にならないための勝負手。この攻めをギリギリで受け止めて反撃した広瀬が先勝した。
第2局はやはり角交換から広瀬が通常と違う△3三金型を採用して、互角の戦いがずっと続いた。
しかし広瀬が決めに来た瞬間を捉えての、藤井の切り返しが絶好となって、藤井の勝ち。
両者ともに持ち味を出して迎えた第3局。静岡県・富士宮市での前夜祭で私は「この勝負を勝った方が竜王になります」と言い切った。広瀬が勝てば、他の棋士のような苦手意識のないまま、シリーズを制するだろうと思ったからだ。
果たして将棋は、膠着状態から広瀬がうまく手を作り、藤井を抑え込むことに成功。
藤井が暴れて来るのを待つだけの局面は、自信満々に見えたが、網に入れたはずの大魚に逃げられて暴れられ、逆に大差で広瀬は敗れた。
この敗戦が精神的にも痛かったか、シリーズの最中に藤井の強さを称え始めたのには、私も驚いた。そして第6局で決着がついたのだった。
藤井の対局姿からは、昔の大山康晴十五世名人のような圧迫感はないが、盤上でAIと指しているような圧迫感を感じる、と言った棋士がいる。
藤井に勝つには、平常心で指せるというのが絶対条件だろうと思ったシリーズだった。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】竜王位を初防衛の藤井聡太 対局姿はAIと指しているような圧迫感、勝利への絶対条件は「平常心」(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
対局姿はAIと指しているような圧迫感、勝利への絶対条件は「平常心」https://t.co/kuBtIY7U5D
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へぇ・・・
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