ひふみん
2022年11月9日17時47分
<ひふみんEYE>
将棋の最年少5冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖=20)が広瀬章人八段(35)の挑戦を受ける、第35期竜王戦7番勝負第4局が8、9の両日、京都・福知山城天守閣で行われ、先手の藤井が95手で広瀬を破り、シリーズ対戦成績を3勝1敗とし、初防衛にあと1勝とした。
「ひふみん」こと加藤一二三・九段(82)の「ひふみんアイ」をお届けします。
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藤井竜王の「横綱相撲」でした。広瀬八段の攻めに対応し、切り返すと反撃の余地を与えずに押し切ってしまうのですから。終盤、敵陣の2筋に歩が刺さっては「勝負あった」。受けから攻めに転じるパターンは、めっぽう強いです。
強さを際立たせてスピード決着になったのは、挑戦者が3筋の桂を歩で守るべき局面で、8筋や4筋の歩を成り捨てて仕掛けたからでしょう。踏み込んだ攻めが大局観、判断の誤りでした。成算があってこそでしょうが、負けた瞬間、「おかしいな。攻めていったんだけど」と微妙な気持ちだったに違いありません。
言い換えれば、攻めを空回りさせた藤井竜王の構想力が勝っていました。望外の会心の勝利で、初防衛はかなり濃厚です。
広瀬八段はもともとゆったり力をためて勝つ棋風なのですが、今局は突っ張った将棋が目立ちます。後がなくなった先手番の第5局でどんな作戦に出るのか。注目しましょう。
情報源:【ひふみんEYE】攻めを空回りさせた藤井竜王の構想力 受けから攻めに転じるとめっぽう強い – 社会 : 日刊スポーツ
七番勝負
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— 日刊スポーツ (@nikkansports) November 9, 2022
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▲藤井聡太竜王-△広瀬章人八段(棋譜中継)
この局面で広瀬が投了した。☖4三玉は☗3三金☖4四玉☗3五角までの詰み。☖3三香は☗3六飛と勢力を足されて支えきれない。一方で先手玉は安泰だ。終局時刻は15時21分。消費時間は☗藤井6時間0分、☖広瀬6時間23分。藤井は3勝1敗とし、タイトル防衛まであと1勝と迫った。第5局は11月25日(金)から26日(土)にかけて、福岡県福津市「宮地嶽神社貴賓室」で行われる。 ※局後の感想※ 広瀬の研究して臨んだ序盤だったが、59手目☗2七香からは手将棋の様相になった。後手のハッキリとした敗着は難しいが、本譜は先手が厳しく攻める展開になり、少しずつ先手の利があったようだ。感想戦は16時41分に終了した。 詳しくは後ほど追記します。 【藤井聡太竜王が”天守閣”対局を制し、シリーズ3勝1敗に...初防衛かかる次局は宮地嶽神社で】 https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221109-SYT8T3506121/ 【【終局後インタビュー】「常に方針の難しい将棋」と藤井竜王...ポイントは「手持ちの香」、広瀬八段「実戦例少ない形に誘導したが...」】 https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221109-SYT8T3506436/ 【福知山の大盤解説会場に藤井聡太竜王と広瀬章人八段が登壇、対局を振り返る】 https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221109-SYT8T3506633/ 【【対局総括】プロが見えにくい藤井竜王の☗2七香 稲葉八段「単純な狙いなのに、厳しい『非凡な一手』」】 https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/blog/20221109-SYT8T3506841/
15時21分 終局
95手 2四角まで、▲藤井聡竜王 の勝ち
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防衛に王手。
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