へぇ・・・
2022.11/5 15:00
竜王戦七番勝負の第3局は初めてのタイトル戦の地、静岡県富士宮市で行われた。
市制80周年の記念事業ということで、市長を先頭に市を挙げてのイベントとなった。
対局に先立って行われたのは、最近のタイトル戦で話題になる、おやつの選定。まずおやつを作る職人(店)から応募を募ったところ、38の応募があり、これを7つに選定するのに一般投票にしたら、全国から9000を超える応募があったという。
それを対局者にあらかじめ選んでもらったら、「幻の‼『黒いちじく』シュークリーム」と「富士のくに雲海ゼリー」に決定。この2つは商品化されれば、たちまち売り切れとなるであろう。
地元のTV局はほとんどおやつを中心に報道したらしく、今回は地方誘致の新しい成功例となった気がする。
私は立ち合いで同行したが、一行は新幹線の新富士で降り、まずは富士宮本宮浅間大社でのお参り。この日は富士山が裾まで見える快晴だった。
対局場は『割烹旅館たちばな』。日本一富士山が大きく見える旅館というだけあって、温泉の露天風呂からでも、正面に裾まで見える富士山に出会える。
対局は広瀬章人八段が、普段先手番ではあまり指さない相掛かり戦に誘導。
指してみたい形があったようで、藤井聡太竜王に対して先攻し、いきなりペースをつかんだ。
一日目は苦しくなった藤井が何とか突破口を見つけようとするも、一つ一つ潰す形で受け止め、広瀬は自信満々に見えた。
前夜祭で私は「この第3局を制した方が、このシリーズを制します」と大胆予想をした。広瀬が第1局同様の勝ち方をすれば、藤井は七番勝負で2敗したことがないから、大きなプレッシャーになるはずで、奪取が見えてくる。
また藤井勝ちなら、今年のヒューリック杯棋聖戦と、伊藤園お~いお茶杯王位戦で初戦負けの後、全部勝って藤井防衛の形が再現されると思ったからである。
しかし2日目の午後、広瀬が頃合いは良しと見て一気に勝ちに行ったのが誤算で、藤井に強烈な勝負手を返されてからは劣勢となっていった。
シリーズは藤井の2勝1敗となり、広瀬は苦しくなったが、4年前に羽生善治九段から竜王を奪取したときのような、精神的な強靭(きょうじん)さと終盤の切れ味が出るかどうか、残りの対局を注目したい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】竜王戦・富士宮対局 藤井が第3局を制し2勝目、防衛視野に 広瀬の強靭な精神と終盤の切れ味にも注目(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
tw
第4局は8日開始
|
|
|
|
|
|
★