17時17分 終局
112手 5八銀まで、△藤井聡竜王 の勝ち
現地大盤解説中継(アーカイブ)
2022/10/29 17:55
将棋の第35期竜王戦七番勝負第3局が10月28・29日の両日、静岡県富士宮市の「割烹旅館 たちばな」で指され、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、20)が挑戦者の広瀬章人八段(35)を破り、シリーズ成績2敗1敗と白星を先行させた。藤井竜王は、終盤戦で見せた飛車切りから逆転に成功。一気に勝利を引き寄せた。第4局は11月8・9日の両日、京都府福知山市の「福知山城天守閣」で予定されている。
初防衛を目指す藤井竜王が、後手番で2勝目を手にした。互いに先手番で勝利を挙げ、1勝1敗で迎えた第3局・富士宮対局。広瀬八段の先手番で、シリーズ初の「相掛かり」が志向された。これまでの2局と同様、序盤戦では広瀬八段が工夫を披露。自身は受けに回って、藤井竜王の攻めを誘導しペースを握った。
封じ手の手番を持った広瀬八段は、14分の考慮で激しい戦いへの展開を決断。藤井竜王も読みの候補にはあったか、30分の消費で応じた。難解な進行に、後手は持ち時間を大量に投入。広瀬八段は研究下かじわじわとリードを拡大させていった。
しかし、広瀬八段の強い角の踏み込みから景色は一変。藤井竜王は窓越に広がる美しい富士山に時折目をやりながら、わずか11分で飛車を突進させた。ABEMAの中継に出演した阿部光瑠七段(28)、長谷部浩平五段(28)の解説陣は「驚きましたね!こんな飛車の働かせ方があるとは…」。さらに「先手は厚みを築いてきた分、駒が上ずってしまっている。広瀬八段は意表を突かれたのでは」とコメントした。
終盤で逆転に成功した藤井竜王は、着実にポイントを積み重ねるように広瀬八段を攻撃。最後は厳しい角打ちから一気に押し切って、嬉しい2勝目を挙げた。
終局後、藤井竜王は「駒組みの段階で形勢を損ねてしまって、苦しい将棋だった。途中から無理気味ながら攻めていって、最後際どく繋がったかなという感じだと思っています」とコメント。一方、リードを奪いながらも手痛い黒星を喫した広瀬八段は「1日目から2日目の午前中まで調子良く進めていたが、昼食休憩再開後からの手順が良くなかった。二択の局面を迷いに迷ってまずい方を選んでしまった。飛車切りも見えてはいたが想像以上に難敵で、認識が甘かった。実力だが残念」と肩を落としていた。
この結果で、シリーズ成績は藤井竜王2勝、広瀬八段の1勝と、連覇を狙う藤井竜王は白星が先行。いよいよ中盤戦に突入する第4局で、リードを拡大することはできるか。藤井竜王は「ここまでの3局、すべて初日で苦しくしてしまっているので、そこが課題。少しでも修正できるように頑張りたい」。4期ぶりの復位を目指す広瀬八段は、「本局は悔いが残る結果になってしまったので、第4局までに立て直してまた頑張りたい」と星を戻すべく闘志を燃やしていた。
注目の次局は11月8・9日の両日、京都府福知山市の「福知山城天守閣」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
情報源:藤井聡太竜王が逆転勝利!第3局制し広瀬章人八段に2勝1敗と白星先行/将棋・竜王戦七番勝負 | ニュース | ABEMA TIMES
2022-10-29 第35期竜王戦七番勝負第3局
☗広瀬-☖藤井聡 終局直後
両対局者は終局直後のインタビューに答えた後、大盤解説会場に向かいました。
【藤井竜王の談話】
――本局は初日からどう見ていたのでしょうか。藤井 相掛かりから駒組みになってバランスは取れていたのと思っていたんですが、☗4五歩(53手目)と突かれる手が見えていなかったです。進んでみると、こちらの主張がなくなってしまって失敗したと思っていました。
――控室では2日目午後の☖7五飛(92手目)からペースをつかんだといわれていました。対局中はどのように判断されていましたか
藤井 1日目の封じ手のあたりで少し苦しくしてしまったと思っていたんですけど、そのあとはこちらがやっていかないといけない形です。本譜は無理気味だと思ったんですけど、仕方ないのかなと思って進めていました。☖7五飛から☖7七歩(96手目)と打って、攻めの手番がくるようになったので少し難しくなったかなと思っていました。
――これでシリーズ2勝目です。次戦の抱負をお願いします。
藤井 ここまでの3局はすべて初日で苦しくしてしまっていると思うので、そこは大きな課題です。そこは少し修正して頑張りたいと思います。
【広瀬八段の談話】
――初日はどう見ていましたか。広瀬 駒組みになって、どう打開するかというところで☗4五歩(53手目)と指しました。あまりない筋だと思いますが、ちょっとずつ駒が前に進んでいきそうですし、数手進んだら模様がよくなっている気がして、今日の午前中まではペースだと思ったんですけど。再開後の☖7五歩からの手順がよくなくて。☖7五飛と走る手は見えていたのですが、思ったよりも難敵で認識が甘かったです。
――これでシリーズは1勝2敗です。次戦の抱負をお願いします。
広瀬 本局は悔いが残る展開、結果になってしまいました。第4局もあるので、立て直して頑張りたいと思います。
2022-10-29 第35期竜王戦七番勝負第3局
☗広瀬-☖藤井聡 感想戦
大盤解説会から対局場に戻り、感想戦が行われました。雰囲気は写真のように終始、和やかで、時間は20分ほどです。
序・中盤は広瀬八段が新手筋を放ち、ペースを握っていたことで両者は一致しました。勝負どころは昼食休憩前に指された☖7五歩(84手目)。広瀬八段は本譜の☗7五同歩と☗6五歩で迷っていたそうですが、☗6五歩のほうがまさったようです。☗7五同歩に対し、☖7六歩からよどみなく藤井竜王が攻めて押しきりました。
八代七段の総括は以下の通りです。
「序盤は広瀬八段の想定通りで、☗4五歩(53手目)が用意していた手でした。進んでみると後手に8筋に歩を打たせ、4筋の位を生かして先手ペースだったと思います。両対局者も『先手が押している』で一致し、今日の午前中までそうだったでしょう。
2日目の昼食休憩を迎えた局面が勝負どころで、広瀬八段は長考されていました。85手目は☗7五同歩ではなく☗6五歩がよかったという結論になりましたが、どちらも進めてみるとすっきりした局面にならない印象で、先手はかなり悩ましかったと思います。そういう局面に持ち込むのも、藤井竜王の強さです。本局は検討していても、なかなか手が当たりませんでした。例えば☖7五飛(92手目)☗同銀☖同角の手順は、ふたりとも読んでいたんですね。私は意外な手でしたが、そこは後手の攻めが切れなくなり、広瀬八段は粘れませんでした。
藤井竜王はやや押され気味の展開でした。しかし少しずつ相手にプレッシャーをかけていく指し回しと、チャンスをとらえる読みの正確さが光った内容です。広瀬八段は敗れたものの、序中盤は研究通りで準備の手ごたえを感じたのではないでしょうか。第4局も楽しみです」
藤井聡太竜王に広瀬章人八段が挑戦する 第35期竜王戦七番勝負第3局が、10月28・29日(金・土)に静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」にて行われ、藤井竜王が112手で広瀬八段に勝ち、2勝1敗としました。
第4局は、11月8・9日(火・水)に京都府福知山市「福知山城天守閣」にて行われます。
情報源:藤井聡太竜王VS広瀬章人八段 第35期竜王戦七番勝負第3局 藤井聡太竜王の勝利|将棋ニュース|日本将棋連盟
七番勝負
藤井聡太竜王が逆転勝利!第3局制し広瀬章人八段に2勝1敗と白星先行/将棋・竜王戦七番勝負 | ニュース | ABEMA TIMEShttps://t.co/CHwFxxlcI0
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#藤井聡太 竜王の勝利
【第35期 #竜王戦 七番勝負第3局】
○藤井聡太竜王 VS ●広瀬章人八段
第35期竜王戦七番勝負第3局が10月28・29日(金・土)に静岡県富士宮市「割烹旅館 たちばな」にて行われ、藤井竜王が112手で広瀬八段に勝ち、2勝1敗としました。 https://t.co/0SuqRDrlg5
— 日本将棋連盟【公式】 (@shogi_jsa) October 29, 2022
▲広瀬章人八段-△藤井聡太竜王(棋譜中継)
広瀬が水を飲んでいるところで☖5八銀が打たれた。少し間を置いて、広瀬は頭を下げて投了の意思表示をする。控室の関係者が一斉に対局室に向かった。以下は、☗6八玉☖7六桂☗7七玉☖6七馬の詰み。終局時刻は17時17分。消費時間は☗広瀬7時間15分、☖藤井6時間59分。 広瀬の受けを☖7五飛の強手から突破した藤井が制勝。第4局は11月8・9日に京都府福知山市「福知山城天守閣」で行われる。 ※局後の感想※ 終局後、両対局者は大盤解説会場に向かい、ファンにあいさつとミニ感想戦を行った。そこで、広瀬は「(84手目☖7五歩に)☗6五歩と指す可能性のほうが高かった。昼食をいただいているうちに迷ってしまって」と話していた。 対局場に戻って、感想戦を20分程度行った。 広瀬は「☖7五飛(92手目)と走られてみると、思ったよりも危なかった。☗6六歩(95手目)がぴったりと早とちりした。☖7五歩(84手目)が勝負どころとみて考えただけに残念。☗7五同歩と☗6五歩のどちらでもよさそうなだけに、2択で迷って悪いほうに手がいってしまった」と述懐した。
17時17分 終局
112手 5八銀まで、△藤井聡竜王 の勝ち
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注目の封じ手は?
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