あと4戦中3勝で合格だが・・・
2022.8/28 10:00
この8月18日から、世間の注目の的である、里見香奈女流五冠の棋士編入試験五番勝負が始まった。
棋士編入試験とは、プロの公式戦で規定の成績を挙げたアマ、もしくは女流棋士が、プロ棋士(フリークラス)となる四段の資格を得られる試験。
里見は5月に棋王戦コナミグループ杯で古森悠太五段に勝ち、公式戦を10勝4敗として、試験の資格を得ていた。
試験は月に1局ペースで、棋士番号の若い棋士順に指し、5局の内3勝したら合格というもの。
女流棋士は、棋士とどう違うのかがわかっている人は、かなり少ないかと思っている。
確かに以前は、大いに違っていた。棋士にならないと男性棋戦に出られないし、順位戦にも参加できない。そして立場上の違いは、棋士になると自動的に社団法人(現在は公益)の会員となり、総会での決定権の1票を持つことができる。また、理事を選ぶ選挙権を持ち、自身が立候補すれば、理事となって運営者にもなれるのだった。
しかし今では、男性棋戦に女流の出場枠があり、女流のタイトル保持者などの代表者は、棋戦に出ることができる。現在出場できない(タイトルの取れない)棋戦は、順位戦(名人)、アルソック杯王将戦と叡王戦だけである。
また将棋連盟が公益社団法人になった時、私も提案していた女性も会員にという案件は、当時の米長邦雄会長の英断で、女流四段以上、タイトル経験者に会員の資格を認めることとなった。現在は清水市代女流七段が常務理事として運営者に加わっている。
それでも順位戦のクラスに属する棋士の立場はやはり別格で、今回の里見の挑戦となったのだった。
初戦の相手はこの春棋士となった、徳田拳士四段。山口県初の棋士だが、棋士になって以来12勝1敗というロケットスタートで、大物ぶりを見せつけている。考えてみれば里見も、もし棋士となれば、島根県初の棋士となる。
将棋は里見の中飛車に対し、徳田が押さえ込みに入る展開となった。一時は包囲網を破って里見が暴れられるチャンスもあったが、それを逃してからは、完全に徳田のペース。
最後里見は、刀折れ矢尽きるまで指して、投了した。
初戦は里見の良いところが出なかった将棋に見えたが、今後どういう戦い方を見せてくれるかが楽しみである。
あおの・てるいち 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】里見香奈女流五冠の棋士編入試験 順位戦クラスに属する棋士は別格、絶好調の徳田四段に惨敗(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
里見香奈女流五冠の棋士編入試験 順位戦クラスに属する棋士は別格、絶好調の徳田四段に惨敗https://t.co/ltf4opoH0c#里見香奈女流五冠 #棋士編入試験
— zakzak (@zakdesk) August 28, 2022
棋士編入試験
1:徳田拳士 四段 8月18日(木) 関西将棋会館
2:岡部怜央 四段 9月22日(木) 東京・将棋会館
3:狩山幹生 四段 未 定
4:横山友紀 四段 未 定
5:高田明浩 四段 未 定
情報源:里見香奈女流四冠、棋士編入試験受験へ【日程追記あり】|将棋ニュース|日本将棋連盟
▲徳田拳士四段-△里見香奈女流五冠
落ち着いて竜を逃げた。次は☗7九金☖9九竜☗7四桂☖同歩☗5五角で王手竜取りをかける筋がある。竜が7筋の守りを強化している。 17時24分、里見は一分将棋に入った。秒を読まれ、駒台に手をやって頭を下げる。終局時刻は17時25分。消費時間は☗徳田2時間39分、☖里見2時間59分。里見は刀折れ矢尽きるまで戦い執念を見せたが、徳田が押し切った。第2局は9月22日、東京・将棋会館で行われる。
17時25分 終局
127手 7六龍まで、▲徳田四段 の勝ち
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まずは1勝したい。
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