今泉健司五段
2022年8月19日 6時0分
将棋の里見香奈女流五冠=清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=が18日、大阪・関西将棋会館で棋士編入試験五番勝負の第1局に臨み、徳田拳士四段に127手で敗れた。第2局(試験官・岡部怜央四段)は9月22日、東京・将棋会館で行われる。合格するには残り4局で3勝しなければならない。
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◆今泉健司五段に聞く
ひとことで言うと、徳田快勝です。正直、里見さんは切り替えはしやすいと思います。完敗ちゃ完敗です。
スタートの先後がまず大きいところでした。後手の里見さんが選んだゴキゲン中飛車から端を序盤で2手意欲的に使うというのはあまり見たことがない形でした。かなり意思を込めてきた作戦で、徳田くんも想定はしてなかったと思いますが、端を2手突いている分、立ち遅れ気味。丁寧にまとめられやすい形の序盤でした。勝ちにくい戦型を選択されたのかなと。
中盤、51手目▲2六角が決断の一手だったし、いい手に見えました。徳田くんはセンスがあり、所々でキラっと光る手を指すことができるタイプ。その一片をこの手に見ました。
80手目△6四銀とバックしてからは、里見さんはそこそこいけそうな感じで見てたようですが、第一感、細いとみる局面です。ただ、当事者しか分からないその場の勢いとか空気とかいろいろある。84手目△6四飛▲6八歩の局面でたいした攻めがなかったのがかなり誤算だったのだと思います。
89手目▲8六金がこの将棋のほぼ勝ちを決めるくらいのいい手。以下は里見さんも必死にいろいろやってるんですが、絶対に負けないという指し回しをされてしまいましたね。
最後の▲7六竜の局面で、ホントはね、なんか指したいんですよ。なんか指したいけど、指したらもっと鬼のように辛いことされるから。下手したら全部駒取るくらいのことを。指したかったけど、指せなかったっていう気持ちはすごく、感じます。
この将棋は相手が強かったって終われる将棋。野球で言ったら、3―0で巨人が大勢を出して打たれたっていうような試合ではない。0―5で中日・大野雄大あたりに完封されて終わったていう感じのゲームなんで。切り替えましょうと言えますし、実際、里見さんは切り替えるでしょう。1か月ありますからね。次がひとつ勝負。なんとしても取りたいですね。
情報源:里見香奈女流五冠の棋士編入試験第1局を今泉健司五段が見た 「完封されたゲーム」「最後指したかったけど、指せなかった…」 : スポーツ報知
昨日の里見香奈さんの編入試験今泉五段に解説していただきました。
最後の▲7六竜の局面で、ホントはね、なんか指したいんですよ。なんか指したいけど、指したらもっと鬼のように辛いことされるから。指したかったけど、指せなかったっていう気持ちはすごく、感じます。https://t.co/mgBBAGI10Y pic.twitter.com/eVoYPLtZZm
— 瀬戸花音(スポーツ報知) (@kanonseto) August 19, 2022
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特だ四段の振り歩先
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残り4局
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