杉本昌隆八段
2022/07/18 07:30
将棋の藤井聡太棋聖(19)=竜王など五冠=が17日、名古屋市で指された第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第4局で永瀬拓矢王座(29)を下し、対戦成績3勝1敗でタイトルを防衛、3連覇を果たした。師匠の杉本昌隆八段(53)がサンケイスポーツに手記を寄せ、2度の「千日手」を経て敗れた第1局が「勝負のターニングポイント」と指摘した。まな弟子を巡る地元愛知ならではのエピソードを明かし、19日の誕生日に向けて温かいメッセージを送った。
苦しみながらも果たした3連覇。心よりおめでとうと言いたいです。今年度の藤井棋聖は防衛戦が増えたため対局数が少なく、実戦不足で調子を落としていました。最もいい時の状態から考えると7割ぐらいの出来ではないかと思います。最も苦しいタイトル戦だったかもしれません。
第1局は完敗でした。「千日手」が2度続く異例の展開に、永瀬王座の棋聖戦にかける思いを見ました。2人は約5年前から研究会を続けていますが、研究会で意識的に千日手に持ち込むことはありません。タイトル戦での藤井戦本番にとっておいた秘策でした。
藤井棋聖は敗れはしましたが、千日手による指し直しで計3局指せたことで実戦不足を補えました。勝負勘を取り戻せたことが大きかった。また、永瀬王座の〝本気〟を見られたことは精神面でも得たものが大きかったはず。第1局の千日手こそ、勝負のターニングポイントでした。
将棋は2人で作り上げる芸術。以降も両者力の入った熱戦で、互いに良く知る間柄だからこその名局が続きました。藤井棋聖はもがき苦しんで、また一歩成長したと思います。
念願の地元愛知でのタイトル防衛にもなりました。第4局が指された名古屋・大須地区はパソコンショップが多く、藤井棋聖も関心がある街のはず。昨年、私が研究用のパソコンを新しくしようと探した際にも、藤井棋聖と大須の商店街の話になりました。私一人で商店街へパソコンを買いに行き、私のことなど知るよしもない店員さんから「お客さま、これを購入されれば藤井プロの気分になれますよ」と言われてしまいましたが…。
19日に藤井棋聖は二十歳となります。小学4年の弟子入りから10年。もう二十歳、そしてやっと二十歳。彼の人生は、普通の人より時計の針が早いような気がします。プロになった14歳がひとつの成人で、初タイトルの棋聖位を取った17歳で既に一流の仲間入りをしています。今まで通り、勝負の道を究めてくれることを願っています。
情報源:3連覇の藤井棋聖に師匠・杉本八段「もがき苦しんで、成長した」 19日で二十歳のまな弟子に「既に一流」/将棋 – サンスポ
対戦成績
3連覇の藤井棋聖に師匠・杉本八段「もがき苦しんで、成長した」 19日で二十歳のまな弟子に「既に一流」/将棋 – サンスポ https://t.co/YfAeUxGbia @SANSPOCOMより
— サンスポ (@SANSPOCOM) July 17, 2022
【将棋・第93期ヒューリック杯棋聖戦】
見事3連覇を成し遂げた藤井聡太棋聖は、「万松寺のぶながホール」での記者会見でこれまでの対局を振り返りました。
また、19日に控えた20歳のお誕生日のサプライズケーキと花束の贈呈が行われました。 pic.twitter.com/zpU3hmlM4s— 亀岳林 万松寺 (@banshoji_nagoya) July 17, 2022
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▲永瀬拓矢王座-△藤井聡太棋聖(棋譜中継)
ここで永瀬が投了を告げた。以下☗4九玉☖3八銀☗5九玉☖5八金打が詰み筋の一例。終局時刻は18時30分。消費時間は、☗永瀬3時間52分、☖藤井聡3時間41分。 この結果、第93ヒューリック杯棋聖戦五番勝負は3勝1敗で藤井が防衛した。藤井の棋聖位の獲得は3期連続3回目、通算タイトル獲得数は9期とした。
18時30分 終局
104手まで、△藤井聡太棋聖が防衛
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おめでとうございます。
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