ほぉ・・・
2022.7/10 10:00
この6月から、新しい年度の順位戦が始まった。
順位戦は毎年6月から3月まで、ほぼ1年かけてリーグ戦を戦い、棋士の格付けを決める棋戦である。
私は将棋界のことをあまり知らない人に、順位戦の仕組みを説明する時、「クラスは5クラスあり、例えばB級1組は13人の部長が総当たりで1年戦い、上位2人が重役に昇り、下位3人が課長に落ちる。収入も大体、それと同じくらいになります」と言うと、納得してくれるようだ。
A級は重役10人の中のトップが社長と入れ替え戦を行い、下位2人が部長職に落ちるクラスだが、今期は藤井聡太五冠が新A級で入っているのが、最高の注目であろう。
藤井の初戦の相手は、現会長の佐藤康光九段。新しくできた名古屋対局場の、杮落しの一局でもあった。名古屋対局場は名古屋市の駅前、トヨタのビル内にある。藤井の遠征の負担を減らすという、地元の思いがあるかと思う。
将棋は佐藤の振り飛車穴熊に対し、藤井が「トーチカ」と呼ばれる作戦で対抗。中盤からうまく立ち回った藤井が優勢を維持し続けて快勝した。
A級には新A級の永瀬拓矢王座、そして2年続けて挑戦者となった、斎藤慎太郎八段がいるが、どちらもしっかり勝ち切って、白星スタートとなった。この3人の直接対局が、見ものである。
B級1組は、何と言っても昨年初めて降級した、羽生善治九段が、1期で復活になるかが一番の注目であろう。何せ、A級から落ちた時に、即引退するのではと心配されたほどだから、いつまでも復帰できなければ当然、同じ心配をすることになる。
その羽生の初戦は、山崎隆之八段だったが、羽生は後手番横歩取りから飛車交換し、一気に強襲をかけて寄せ切って勝利した。
B級2組の注目は、本欄一押しの大橋貴洸六段。初戦で難敵の元叡王、高見泰地七段を相掛かり戦で破り、幸先の良いスタートを切った。
大橋は今季の成績が9勝1敗と、今まで以上のハイペースで、現在王座戦でも、挑戦者決定戦まで進出している。
これだけ勝率の高い棋士は必ず出てくると以前書いたが、いよいよ目に見えるところまで来たと言えるだろう。
もう一人の一押しの伊藤匠五段も、今期は12勝2敗の高勝率。C級1組順位戦も初戦で、野月浩貴八段に勝った。
注目の棋士は、今期ほとんど好スタートを切ったと言えるが、今後も持続できるかどうかを見ていきたい。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】注目棋士ら新年度好発進! 藤井聡太五冠は現会長・佐藤康光九段との戦い制す(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
【勝負師たちの系譜】注目棋士ら新年度好発進! 藤井聡太五冠は現会長・佐藤康光九段との戦い制す https://t.co/aBSx5Okj1s @zakdeskより
— zakzak (@zakdesk) July 10, 2022
▲藤井聡太竜王-△佐藤康光九段(棋譜DB)
0時02分 終局
101手 7八香まで、▲藤井聡竜王 の勝ち
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藤井聡太竜王が白星スタート
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