渡辺明名人
2022.6/5 10:00
5月28・29日、岡山県『倉敷市芸文館』で行われた名人戦第5局で、渡辺明名人が挑戦者の斎藤慎太郎八段を破り、4勝1敗で名人位を防衛した。
この将棋の立会人は、数日前に襲位した谷川浩司17世名人。本来永世称号は、引退してからが原則だが、年齢は60歳を超え、資格を得て25年で成績抜群ということで、襲位したのだった。同じく中原誠16世名人も、60歳現役で襲位している。
永世名人の称号資格は、名人通算5期。永世棋聖と同じで、他のタイトルよりハードルが低く見えるが、名人の場合、順位戦でA級に昇らないと挑戦者になれないから、逆にハードルは高い。
その証拠に昭和の初期、名人が終身から実力制に変わって80年の間で、永世名人は木村義雄、大山康晴、中原、谷川の4人しかいない。
渡辺はこれで3期となり、現在最も永世資格者に近い名人となった(森内俊之九段、羽生善治九段は永世名人資格者)。
今期の名人戦を振り返ると、終盤でギリギリの勝負や、逆転がなかったことが挙げられる。つまり斎藤にすれば、勝った第3局以外は、中盤過ぎからほとんどチャンスがないまま敗れたことになる。
名人戦の前に行われた、A級順位戦静岡対局の開幕式。対局者が去った後、今回の名人戦の展開を、来ていた棋士が予想する場面があった。
他の棋士が七番勝負は最後までもつれる、と予想したのに対し、私は「どちらが勝つかは分からないが、一方的になる」という大胆な予想を立てた。
というのも、斎藤は2年続けてA級順位戦を圧倒的な成績で挑戦者になるほどだから、若さのパワーで一気に名人奪取の可能性はある。今回は2年目だけに、名人戦にも気負いはないと思ったからだ。
しかし渡辺には大変な武器があり、それにはまると逆の目が出るのでは、とも思っていた。それは藤井聡太五冠以外なら、誰にでも五分以上に指せる、という自信である。
下手な例えだが、私は若い頃好き嫌いが酷く、何を食べて生きてきたのか、わからない時期がある。しかしそれも、嫌い度数がマックスの鶏肉さえなければということで、後は何でも食べられるようになったのだった。
正に渡辺にすれば、藤井以外なら誰でもよいと思えるのかも知れない。しかし来期は藤井が挑戦してくる可能性はある。
渡辺にとって、本丸を脅かされた時に、どう戦うかは見ものである。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】二度目の防衛!若い力に打ち勝った渡辺名人の次なる壁 永世資格者に近いが…来期、藤井五冠が挑戦してくる可能性も(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
二度目の防衛!若い力に打ち勝った渡辺名人の次なる壁https://t.co/9UPpadSP3F
— zakzak (@zakdesk) June 5, 2022
ほぉ・・・
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