西高東低
2022.5/22 10:00
最近ファンから「このところ活躍している棋士は皆、関西の人ばかりですね」と言われたことがある。
藤井聡太五冠が関西所属(愛知県)だから、そう見えるのかと思って調べたら、確かにこの一年、優勝者やタイトル戦の挑戦者は関西棋士ばかりである。
今進行中の「名人戦」は、2年連続ブッチギリで奈良市出身の斎藤慎太郎八段が挑戦者になっているし、同じく進行中の「叡王戦」は明石市(兵庫県)出身の出口若武六段が挑戦者だ。その出口と挑戦者を争ったのは、服部慎一郎四段(富山市出身)だった。
また「お~いお茶杯王位戦」の挑戦者決定戦に勝ち上がったのは、豊島将之九段(愛知県一宮市出身)と、池永天志五段(大阪市出身)の関西勢で、今まで注目されていなかった関西の若手が、大舞台に登場している。
このほか直近の「朝日杯将棋オープン戦」と「銀河戦」では菅井竜也八段(岡山市出身)が優勝。「JT将棋日本シリーズ」は豊島将之九段が優勝と、このところの活躍はすべて関西勢である。
関東勢はと言えば、6月から始まる「ヒューリック杯棋聖戦」の挑戦者に、永瀬拓矢王座が名乗り出たくらいだ。
永瀬は棋界では数少ない「藤井に勝てなかったら自分の住む場所はない」と本気で考える棋士の一人である。
しかし関東と関西所属の棋士は、関東の方が2倍ほど多いことを考えると、棋界は完全に「西高東低」と言える。
現在、順位戦のA級以上(名人含む)11人の内訳は、関東5人で、関西は6人。そもそも棋士になるところの三段リーグは、この3年程、関西の三段しか上がっていないのだ。
やっと今年の3月、加瀬純一七段門下の岡部怜央三段(山形県出身)が昇段を果たしたのが、久々の関東の新四段だった。
この差はいったいどこに原因があるのだろうか。私の若手棋士の時代は、関東は理論派、関西は力戦派と言われ、関西は研究では勝てないが、力で勝負という風潮だった。従って久保利明九段(兵庫県加古川市出身)のように東京に移籍して修行し、成果が出たら関西に戻る、という棋士までいた。
しかし今は、関西の棋士が毎日のように将棋会館で練習将棋を指していて、多分研究量は関東以上であろう。
東京に負けたくないという気構えが、いつの間にか皆で強くなったのかも知れない。
■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。
情報源:【勝負師たちの系譜】東京に負けたくないという気構え 西高東低の風やまず 毎日のように練習将棋…研究量は関東以上か(1/2ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
【勝負師たちの系譜】東京に負けたくないという気構え 西高東低の風やまず 毎日のように練習将棋…研究量は関東以上か https://t.co/6Rmcgj9dLA @zakdeskより
— kewpiehoney (@kewpie_honey) May 22, 2022
ほぉ・・・
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