岩佐美帆子
2022/4/18 12:30(最終更新 4/18 12:30)
史上最年少5冠を達成した藤井聡太王将(19)の活躍により、脚光を浴びる将棋界。鶯谷高(岐阜市)2年の岩佐美帆子さん(16)は2月、女流棋士としてプロの仲間入りを果たした。「まだまだ全体的に強くなる必要がある」と初勝利に向けて棋力を高める。
2人の兄の影響で小学4年の春から柴山芳之さん(64)が主宰する岐阜市内の将棋教室に通い始めた。「将棋を指すこと自体が楽しかった」と月曜を除く週に6回、教室に通い、自分よりも強い中高生たちとの対戦を重ね、約1年後には日本将棋連盟の育成機関「東海研修会」(名古屋市)の門をたたいた。
2016年の小学生女子将棋名人戦で3位、19年の中学生女子将棋名人戦で準優勝となるなど、全国大会で好成績を収め、21年12月の東海研修会の例会で4連勝して女流棋士になる資格を得た。
将棋の世界でプロになるには師匠が必要だ。不利な形勢でも耐えて勝つ豊島将之九段(31)=愛知県一宮市出身=に弟子入りを志願した。豊島九段は数々のタイトルを獲得し、藤井王将との熱戦を繰り広げた「藤井キラー」の異名も持つトップ棋士。小学生のころに指導対局を受けたことがあり、対局を何度も盤上で再現し、憧れ続けてきた。
研修会入会前後に通っていた一宮市の将棋教室の仲介で、豊島九段に直接電話をしたところ、面会がかなった。熱心に弟子になりたい思いを伝えて、2局指すと、豊島九段は「今後も頑張ってくれそう」だと、自身にとって初めてとなる弟子入りを認めた。
日本将棋連盟によると、16歳の女流棋士は現在、最年少。将棋を離れれば、「体育の授業が好きで、中でも球技、バレーが好き」とあどけない笑顔を見せるごく普通の高校生だ。今後も通学しながら、女流棋士として精進を続ける。
鶯谷高からの女流棋士は卒業生の山口仁子梨(にこり)さん(19)、現在3年生の稀良莉(きらり)さん(17)姉妹に続いて3人目。幼いころからのライバル関係で、今後も互いに切磋琢磨(せっさたくま)するつもりだ。
3月にあったプロデビュー戦は終盤のミスに気付けず、逆転負けを喫した。「少しずつ強くなっていけばいい」という師匠の言葉を胸に終盤の「詰めの甘さ」を克服すべく、駒を動かす。次の公式戦は5月上旬に予定されている。「相手の棋譜を見て対策を練る」。師匠のように第一線で活躍する棋士になるため、まずは初勝利を目指す。【黒詰拓也】
岩佐美帆子(いわさ・みほこ)さん
鶯谷高将棋部の副部長。将棋の魅力は「盤上に個性が出て、情勢が変化に富むこと」。米津玄師さんの音楽や東野圭吾さんのミステリー作品が好きで、母親お手製のギョーザが好物。岐阜市在住。
情報源:師匠は「藤井キラー」 16歳、最年少の女流棋士 初勝利へ棋力高め | 毎日新聞
師匠は「藤井キラー」 16歳、最年少の女流棋士 初勝利へ棋力高め https://t.co/YxmpcgAvDw
— 毎日新聞ニュース (@mainichijpnews) April 18, 2022
本人が望んだこととはいえ、世間の期待に潰されなきゃいいけど
|
|
|
|
|
|
★