出口若武五段、初のタイトル挑戦決定!服部慎一郎四段との激闘制す 藤井聡太叡王との五番勝負へ/叡王戦

出口若武五段が挑戦権獲得、規定により六段昇段|第7期叡王戦挑戦者決定戦

16時48分 終局
142手 9四金まで 、△出口五段 の勝ち


2022/04/02 17:01

出口若武五段、初のタイトル挑戦決定!服部慎一郎四段との激闘制す 藤井聡太叡王との五番勝負へ/叡王戦

将棋の叡王戦本戦の決勝が4月2日に行われ、出口若武五段(26)が服部慎一郎四段(22)に142手で勝利、初のタイトル挑戦を決めた。また昇段規定により、六段への昇段も決めた。出口五段は、昨期タイトルを獲得した藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、19)との五番勝負で、初のタイトルを目指す。

2021年度の成績では、両者ともに勝率7割を超える大活躍を見せた若手ホープ同士の対決となったが、矢倉の出だしから序盤、中盤は先手の服部四段のペース。お互い居玉のまま激しい攻め合いになり、一時ははっきりと服部四段が優勢になったかと見られたが、出口五段がするすると玉を上部に逃しながら粘ると、ついに形勢逆転した。

ただ、最終盤は出口五段も長く1分将棋で指し続けるしびれる展開が続き、時間がない中で千日手の筋も発生。同一局面を3回繰り返した後、なんとか打開の一手を発見すると、その後も間違えることなく勝ち筋を進み続けた。

出口五段は2019年4月に四段昇段。藤井叡王とは過去5回対戦し1勝4敗だが、直近の対局は2020年3月で、その時は出口五段が初勝利を挙げている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

情報源:出口若武五段、初のタイトル挑戦決定!服部慎一郎四段との激闘制す 藤井聡太叡王との五番勝負へ/叡王戦 | ニュース | ABEMA TIMES


2022年4月2日 22時41分

将棋の藤井聡太叡王(19)=竜王、王位、王将、棋聖=への挑戦権を争う第7期叡王戦挑戦者決定戦が2日、都内で行われ、出口若武(わかむ)五段(26)が服部慎一郎四段(22)を142手で破り、挑戦権を獲得した。同時に六段への昇段を果たした。藤井との五番勝負第1局は28日に行われる。

一時は服部が優勢になったかと思われたが、終盤で混戦に。一分将棋の中、千日手になりそうな局面を打開した頃、出口の頭には「タイトル戦初挑戦」の文字が「ふわふわと」ちらつき始めた。2019年のデビューから3年。昨年度の勝率が7割3分6厘と好調が続く男は対局後、「少し(将棋界の)水に慣れてきたんだと思います」と柔和な笑顔を見せた。

初めて挑むタイトル戦の相手は、年下ながら先にデビュー(16年)を果たしている藤井。「目の前の一局に全力を尽くされている。いつみても全力の将棋をされているところが強いところだと思います」。出口はデビュー前の18年、奨励会三段時に行われた新人王戦決勝三番勝負で藤井にストレートで敗れている。一方、デビュー後の20年3月に行われた棋王戦予選では勝った。「タイトル戦というもっと大きな舞台で藤井さんと番勝負ができるというのは一個成長したのかな」と再び盤を挟む思いをかみしめた。

昨年4月に北村桂香女流初段と結婚。「”観(み)る将“ではないですけど…妻の将棋を見るようになったので、ちょっと新しい見方ができるようになって来たのかな」。健康にも気を使うようになったといい、「妻が対局を頑張っていると自分も頑張らないとと思う」とはにかんだ。

今大会、目標はベスト4だった。「まだちょっとタイトル挑戦という気持ちにはなってないのかもしれないです。目の前の一局に集中して今終わったという感じ」と挑戦者となった実感はない。だが、23歳で四段(棋士)昇段を果たした出口は「自分は棋士になるのも遅かった。普通の人と比べても早い段階で活躍していかないと」と覚悟を口にする。「どちらが勝つかわからない将棋をお見せできたら」。若武者の決戦はもうすぐ始まる。(瀬戸 花音)

情報源:藤井聡太叡王へ挑む出口若武六段「早い段階で活躍していかないと」 : スポーツ報知


囲み取材

感想戦後に出口五段の囲み取材がありました。

――本局の感想。

よく勝てたなという内容でした。最初から難しい展開になってしまい、自分の実力では読みきれない局面が多々あったのですが、最後まで粘り強く指すことができました。

――終盤では(一分将棋にもかかわらず1~2秒の)ノータイムで指す場面もあった。

△5七飛のあたりは勝ちだと思っていたんですけど、服部さんも最後は粘り強いので。(先手玉は)詰むのだろうなと思いながらも、いけなかったことが多かったですね。

――タイトル初挑戦と六段昇段が決まった。

私は棋士生活4年目に入ったんですけど、これといった実績を残せていなかったので、一つ、タイトル挑戦という結果を得られたのは、自分にとって大きなものだと思っています。

――タイトル戦では藤井聡太叡王と戦う。

挑戦者になって、やっとスタートだと思うので、目の前の一局に集中して自分が成長できるようなシーズンにしたいと思います。

――第49期新人王戦(2018年)の決勝三番勝負で藤井叡王に敗れたあと、「また強くなって戻ってきたい」と話していた。

新人王戦は一瞬で負けてしまったので。新人王戦の舞台に(再び)立つことはできなかったんですけど、タイトル戦という、もっと大きな舞台で藤井さんと番勝負ができるということは、ひとつ成長できたと思います。(藤井との新人王戦は出口が)三段だったので緊張がすごかったんですけど、今日は服部さんとは普段から知っている仲でもあって、落ち着いてできたのかなと思います。

――五番勝負の意気込み。

全力を尽くして頑張っていくので応援よろしくお願いします。

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――今期の叡王戦全体を振り返って。

予選から相手が強くて激戦ばかりでした。どちらが勝つのかわからない将棋をすべて制してこれたのは自信になりました。

――キーとなった対局。

黒田さん(尭之五段)との予選は二転三転して。互いに一分将棋で無我夢中で指しました。それを制すことができて、気持ち的に手が前に延びるようになったと思います。

――飛躍の要因。

棋士になって3年、水に慣れたことが大きかったと思います。最初のほうと比べると、すごく緊張するようなことはなくなりました。

――環境の変化(1年前に北村桂香女流初段と結婚)はどのような影響があったか。

私生活では食事面とか寝る時間とか、健康に気を使うようになりました。将棋に関してはそれほど変わりはありません。

――モチベーションについては。

妻が対局を頑張っていると、自分も頑張らないといけないと思います。「観る将」ではないですけど、妻の将棋を見て応援することが増えました。そういった新しい見方ができるようになった気がします。

――北村女流初段と一緒に将棋の研究をすることはあるか。

妻の研究に加わることはあります。二人でやっているときもあります。

――井上慶太九段門下は強豪が多い。自分もタイトル戦に出なければ、といった思いはあったか。

そうですね、そんなに……。目の一局に集中していたら挑戦できたといった感じでした。逆にそれくらいの気持ちがよかったのかなと思います。

――藤井対策について。

対策といえるかわかりませんが、自分の力が100パーセント出るような形を目指したいと思っています。きっちりとした対策は今後考えていきます。

――強豪を倒してプロ4年目にタイトル挑戦を決めた。

3月は初めて経験する日程でした(対局数はかなり多かった)。そこを乗りきれたのは大きかったと思いますが、実感がわかないというのが正直なところです。ただ、自分は棋士になるのが遅かったので、普通の人よりも早い段階で活躍しなければいけないとは思っていました。

――プロになる前後のときから「タイトル戦に出たい」という気持ちはあったか。

そんなにすぐ挑戦というのは、自分の中ではあまり考えていませんでした。去年まではベスト8が自分の壁だったので、とりあえずはベスト4を目標にしていました。これからはタイトルに挑戦してもおかしくない人だと思われるように活躍していくことが大事かなと思っています。

――師匠の井上慶太九段には報告するか。

昇段したときはいつも報告しているので電話しようと思います。

――本局は先に時間を使いきって苦しい将棋だったか。

正直、激戦だなという気持ちでやっていたので、勝ってる負けているとは、そんなに考えていませんでした。その局面でいちばんいい手は何かと考えていたので。難しい局面が続いているという認識でした。

――千日手模様になったが、成算があって打開したのか。

読み抜けがなければ勝ちだと思っていました。もともと勝ちの流れかなと思っていたのですが、あのあたりから「挑戦者になる」という気持ちがふわふわしてきて(同一手順を繰り返して)時間を稼いでしまいました。そのあとハプニングがあって、服部さんが少しかわいそうだとは思いました(記録係が不在で指せない時間帯があった)。しょうがないですけども。

――いま好調だという認識はあるか。

いつも同じような気持ちでやっています。自分は連敗連勝型のタイプで、今年度もけっこう連敗してしまい、課題を払拭できていません。それもあって調子がいいとは思っていませんでした。

――本局の前に師匠からアドバイスはあったか。

まるで何もありません(笑)。師匠も気を使われたのかなと思います。

――藤井叡王の強さについて。

よく考えて集中されて、目の前の一局に全力を尽くされているのが強いところだと思います。

――タイトル戦ではどのような将棋を見せたいか。

どちらが勝つのか分からない将棋をお見せできたらと思います。

――本局のポイント。

△5四桂を打ったところは、さすがにちょっと勝ちだと思っていました。狙っていた手でした。服部さんはちょっとうっかりした様子でした。ずっとお互いの玉の距離感が難しく、(△5四桂のあとも)中段玉で読む量の多い将棋だったので、時間が少ないというのがネックでした。

――△5四桂について。

△5四桂は詰めろで、かなり保険もかかっている手です。先手の竜の横利きを止める、△6六金もある、飛車も取れると3つくらいの意味があって、一気に3手くらい指せるならさすがに勝つかなと思いました。

情報源:叡王戦中継ブログ : 囲み取材


五番勝負日程

第1局 4月28日(木)東京都千代田区「江戸総鎮守 神田明神」
第2局 5月15日(日)愛知県名古屋市「名古屋東急ホテル」
第3局 5月24日(火)千葉県柏市「三井ガーデンホテル柏の葉」
第4局 6月12日(日)愛知県名古屋市「か茂免」
第5局 6月19日(日)京都府京都市「全国天満宮総本社 北野天満宮」

情報源:叡王戦中継ブログ : 五番勝負日程


第7期叡王戦挑戦者決定戦 出口若武五段VS服部慎一郎四段 戦が、4月2日(土)にシャトーアメーバで行われ、出口五段が142手で服部四段に勝ち、藤井聡太叡王への挑戦権を獲得しました。

出口若武五段は初のタイトル挑戦となります。

藤井聡太叡王との五番勝負第1局は、4月28日(木)に東京都千代田区「神田明神」で行われます。

◆第7期叡王戦 本戦トーナメント

情報源:出口若武五段VS服部慎一郎四段 第7期叡王戦挑戦者決定戦 出口若武五段が勝利し藤井聡太叡王へ挑戦|棋戦トピックス|日本将棋連盟


挑戦者決定戦

情報源:情報源:第7期叡王戦本戦






服部慎一郎四段-△出口若武五段(棋譜DB

16時48分 終局
142手 9四金まで 、△出口五段 の勝ち


 

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