史上最年少五冠を達成した藤井聡太竜王(時事通信フォト)

藤井聡太竜王 強さの背景に“ひふみんアイ2倍” 加藤一二三・九段が分析|NEWSポストセブン

2018年頃(藤井聡太五段)に苦言を呈されてたよね、それ以降は離席中にやるようになったけど。


2022.02.20 11:00

史上最年少五冠を達成した藤井聡太竜王(時事通信フォト)
史上最年少五冠を達成した藤井聡太竜王(時事通信フォト)

「現役最強」といわれる渡辺明名人(37)から王将位を4連勝で奪取し、史上最年少五冠を達成した藤井聡太竜王(19)。

通算勝率8割3分5厘(2月12日時点)と異次元の数字を叩き出す藤井竜王だが、持ち時間が8時間となる「2日制」のタイトル戦での勝率は9割4分1厘とさらに高くなる。この驚異的な強さの理由を“ひふみん”こと加藤一二三・九段(82)はこう分析する。

「藤井竜王が“ひふみんアイ”を実践していることが一因でしょう。“ひふみんアイ”とは私が昭和54年の第28期王将戦で編み出した思考法なのですが、これは相手が離席している際、相手の側に回り、盤を見つめて指し手を考えることをいいます。私もこの“ひふみんアイ”によって王将戦を制しました」

王将戦のような2日制の対局の際は特に活用しやすいという。

「2日制の場合は昼食・午前と午後のおやつがそれぞれ2回ずつあり、トイレなどの離席回数も増えるため、“ひふみんアイ”を実践するタイミングも通常の対局の2倍になります。

今回の王将戦では、藤井竜王は第3局と第4局の昼食休憩のタイミングで“ひふみんアイ”をしていました。渡辺名人が退室した後、藤井竜王は立ち上がってさりげなく反対側から盤を見つめ、それから対局の場を出たのです。そのさりげなさが、対局相手に配慮できる藤井竜王らしいですね」

藤井竜王はかなり前から“ひふみんアイ”を取り入れていたという。

「これは私も驚いたんですけど、デビュー初期からやっていました。デビュー戦で対局したときは、さすがに本家の私の前ではやっていませんでしたが、その直後にはもう取り入れていました。

やっぱりこういったところに、藤井竜王の並々ならぬ意欲が表われていると言えるでしょう。実力もさることながら、この意欲が勝利をもたらすのではないでしょうか」

3月9日にB級1組の順位戦が最終局を迎え、ここでA級へ昇格となれば、名人戦の挑戦権に一歩近づくことになる。

「いよいよ名人獲得も視野に入ってきたと言えるでしょう。藤井竜王がデビューしたばかりの頃、私は彼を秀才と言っていましたが、今では天才だと思っています。それくらい読みが正確で才能豊かな棋士です。今後の活躍に目が離せません」

“ひふみんアイ”も藤井竜王に熱視線。

週刊ポスト2022年3月4日号

情報源:藤井聡太竜王 強さの背景に“ひふみんアイ2倍” 加藤一二三・九段が分析|NEWSポストセブン



藤井聡太のひふみんアイ


神崎健二八段


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