22時22分 終局
78手 6九角まで、△永瀬王座 の勝ち
2022/2/4 23:46
平成の将棋界に君臨した羽生善治九段(51)が4日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第80期順位戦A級の対局で永瀬拓矢王座(29)に敗れ、A級から下位のB級1組へ陥落が決まった。今期B級1組で戦う藤井聡太四冠(19)=棋聖・竜王・王位・叡王=はA級昇級に王手をかけている。平成を象徴する第一人者と令和の若き王者。「トップ棋士の証し」とされるA級をめぐる姿は、世代交代や時代の変化を印象付ける。
「永世七冠」の苦戦
順位戦は八大タイトル戦の一つ「名人戦」の予選にあたる。順位戦を指さない「フリークラス」を除いた棋士を、最上位のA級▽B級1組▽同2組▽C級1組▽同2組-の5クラスに分け、1年を通してリーグ戦を行う。成績によって昇・降級があり、持ち時間は予選で最長の各6時間。A級の優勝者が名人との七番勝負に挑戦できる。名人への挑戦はプロ入りから最短でも5年かかり、難関かつ最も歴史が古いタイトルとしても知られる。
羽生九段は昭和60年、史上3人目の中学生棋士としてプロ入り。平成8年には全7タイトル(当時)を独占する「七冠」となり、29年には同一タイトルを規定数、保持することで得られる永世称号を7つそろえる「永世七冠」も達成。数々の偉業を成し遂げた。
3年に「棋王」獲得以来、30年まで何らかのタイトルを保持し続け、獲得数99期と通算1494勝はいずれも歴代1位。名人在位を含むA級は5年度から29期連続で在籍し、連続では歴代4位タイ記録だ。一方で近年は若手たちに苦戦を強いられている。30年に無冠になり、今年度の勝率は5割を切り負け越している。
「命を削っているよう」
「週刊将棋」元編集長で大阪商業大公共学部助教、古作登さん(58)は羽生九段の不調の要因を加齢による体力低下とみる。「将棋は知力と体力で勝負する格闘技の側面もある。順位戦のような長時間の対局はこたえる」
古作さんは棋士養成機関「奨励会」に在籍経験があり、羽生九段とは同期でよく知る間柄。「羽生九段はすべての対局に全力投球するので、命を削っているようにも見えた」とも指摘する。
近年の将棋界はAI(人工知能)搭載将棋ソフトを使った研究が主流。ソフトが挙げる推奨手や局面の優劣を数値で表す「評価値」は長年の経験と相いれない部分もあり、将棋の質が変化している。「若い人ほどソフトに対する抵抗がない。柔軟な羽生九段でも、体で覚えた感覚というものをきっぱり捨てるのは難しいはず」(古作さん)
対照的な「四冠」
羽生九段同様、28年に史上5人目の中学生棋士としてプロ入りした藤井四冠はB級1組(13人)で首位に立ち、A級への昇級が有力視されている。羽生九段の降級は「藤井時代」の到来を鮮明にさせる。
4日深夜の終局後、羽生九段は「内容も結果も伴わなかった。致し方ない結果だと思う」とした上で、来期、B級1組で指すことについては「特にまだ何も考えていない。次の対局に全力を尽くしたい」と話した。
ただ、羽生九段は不調をささやかれながらも、何度も復調してきた。古作さんは「調子を取り戻せば、タイトルにからむ活躍をみられる可能性はこれからも十分ある」と復活に期待を込めた。(中島高幸)
情報源:“トップの証し”A級 陥落の羽生と駆け上がる藤井 – 産経ニュース
“トップの証し”A級陥落の羽生善治と駆け上がる藤井聡太https://t.co/CddiYoZv3h
平成を象徴する第一人者と令和の若き王者。「トップ棋士の証し」とされるA級をめぐる姿は、世代交代や時代の変化を印象付ける
— 産経ニュース (@Sankei_news) February 4, 2022
▲羽生善治九段-△永瀬拓矢王座(棋譜DB)
先後はリーグ抽選時に決まっており、羽生九段の先手
初手は、▲羽生九段 2六歩、△永瀬王座 8四歩
22時22分 終局
78手 6九角まで、△永瀬王座 の勝ち
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- 名人戦・順位戦 |棋戦|日本将棋連盟
- 第80期名人戦・順位戦 七番勝負/A級
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