ほぉ・・・
2021年12月27日 16時30分
「全体としては実力以上の結果を出せて、とても良い経験ができた1年だったかなと思います」
藤井聡太は今年最後の公式戦となる今月2日の対局を白星で飾った後、そう語った。控えめな言葉とは裏腹に、デビューから5年の19歳が「将棋界の顔」となったことを印象づける1年だった。
2期連続での順位戦昇級、朝日杯将棋オープン戦優勝、渡辺明との再戦となった棋聖戦……。様々な場面でその強さは際だったが、特に注目を集めたのは、豊島将之との三つのタイトル戦だろう。
両者の対戦は豊島が初対戦から6連勝していた。藤井にとって最大の難敵との戦いだったが、王位戦は4勝1敗で初防衛を果たす。叡王戦も制して勢いに乗り、竜王戦は4連勝と圧倒。豊島から二つのタイトルを奪い、史上6人目の四冠を最年少で達成した。
飛躍の要因として挙げられるのが序盤の技術の向上だ。将棋ソフトを活用した研究が盛んに行われている「相懸かり」を今年から採用するようになり、戦術の幅が広がった。2022年も、将棋界は藤井を中心に回ることになりそうだ。
三冠の渡辺は今年の年明けから、王将と棋王を防衛し、4月の名人戦開幕に臨んだ。名人初挑戦の斎藤慎太郎を相手に第1局を落としたが、そこから4連勝して初防衛を決めた。年始の取材に「三つ守れれば大成功」と語っていた通りの結果となった。
ただ、棋聖戦で挑戦に失敗した後は、各棋戦で敗退が続いている。来年1月に開幕する王将戦七番勝負では、五冠がかかる藤井の挑戦を受ける。公式戦では2勝8敗と負け越している相手だが、防衛戦で巻き返せるか。
将棋界は昨年から「4強」の時代と言われてきた。藤井、渡辺、豊島に、10月に王座3連覇を遂げた永瀬拓矢を加えた4人を指す表現だが、正念場を迎えているのが3年ぶりに無冠となった豊島だ。今年は藤井を相手に苦汁をなめてきたが、竜王戦の後に行われた将棋日本シリーズJTプロ公式戦は、決勝でその藤井を破って優勝。「またタイトル戦で活躍できるよう、頑張りたい」と語った。
女流将棋界はタイトルが一つ増えて八つになり、節目の年となった。新設された白玲は西山朋佳が10月に獲得。奨励会を退会して女流棋士に転向した西山は自身初の女流四冠を果たした。だが、その後に里見香奈が女流王将、女流王座を西山から相次いで奪取し、タイトルの数は里見が5、西山が2に。2人の覇権争いは来年も続きそうだ。一方、里見から清麗を奪取した加藤桃子の奮闘も光った。
(村瀬信也)
情報源:(回顧2021)将棋 藤井四冠、際だった強さ 序盤の技術向上 里見・西山が火花:朝日新聞デジタル
村)今年のタイトル戦は、前半は渡辺明名人、後半は藤井聡太竜王の強さが際立ちました。両者は年明けの王将戦七番勝負で対戦します。女流将棋界でも動きがありました。
(回顧2021)将棋 藤井四冠、際だった強さ 序盤の技術向上 里見・西山が火花:朝日新聞デジタル https://t.co/5Jw4x1lmuu— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) December 27, 2021
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