B級1組9回戦
2021年12月13日 16時30分
13人が総当たりで二つのA級昇級枠を争う第80期将棋名人戦・B級1組順位戦は2日に9回戦が行われ、全勝だった佐々木勇気七段(27)に土がつき、藤井聡太竜王(19)が1敗を守った。2敗の棋士が消え、この2人が頭一つリードしている。ただ、来年3月の13回戦までに上位陣の直接対決もあり、激しい戦いが続く。(佐藤圭司、村上耕司)
■逆転で8勝目 藤井
7勝1敗の藤井は2勝5敗の近藤誠也七段(25)と大阪市福島区の関西将棋会館で対局した。
近藤の先手で戦型は角換わり腰掛け銀に。昼食休憩後から夕食休憩まで8手しか進まないじっくりした進行となったが、検討陣は「先手が指しやすそう」。
図1は、藤井が56分の長考で△9一香と打った局面。近藤は▲9七歩と受けたが、藤井の△9六歩が継続手。仮に▲同歩なら△同飛が7六の銀取りにもなる。ただし、以下▲9七歩△7六飛▲7七歩と進めるのも有力だった。
本譜は、△9六歩に▲7四歩と桂取りに打ったが、以下△9七歩成▲同角△7五歩(銀取り)と進行。▲7三歩成と桂を取ったが、△同角が3七の桂取りになって後手好調子。「角が使える形になって、難しくなった」と藤井。
この後、検討陣の見解は「藤井リード」に変わったが、近藤も粘り、熱戦が続いた。終局は翌3日午前0時29分。114手で勝ち、8勝目を挙げた藤井は「残り3局、全力を尽くしたい」と話した。
■痛いミス初黒星 佐々木
開幕から唯一全勝の佐々木は、東京都渋谷区の将棋会館で屋敷伸之九段(49)と対戦した。屋敷の雁木(がんぎ)に先手の佐々木が右四間飛車から仕掛けて攻め合いに。佐々木が相手の玉頭に殺到し、屋敷が飛車を成り込んで迎えたのが図2の局面だ。
平凡に▲5二成桂△同金▲5三銀打と進めれば先手の勝ち筋だったが、佐々木は▲7四角。以下△3七銀に▲4三歩成としたが、△4八銀成▲同玉△4三歩▲4四歩に△1五角が痛打。そこから数手で屋敷の勝ちとなった。「こちらは受けがないので仕方なく指していたが、難解だった」と屋敷。佐々木は「▲7四角には△1五角が必要かと思っていた。後手玉が詰めろでないのを見落としていた」。
1敗となった佐々木は「みな強敵で1局指すごとに課題が見えてくる。克服できるように向かっていきたい」とコメントした。
■千田3敗に後退、直接対決に望み
佐々木、藤井を2敗で追っていた千田翔太七段(27)は三浦弘行九段(47)に敗れた。3番手ながら6勝3敗となり、二つ差をつけられた。ただ、10回戦で佐々木、11回戦で藤井と対戦する。千田は「幸いにも直接対決が残っているので、精いっぱい頑張りたい」。
5勝3敗の稲葉陽(あきら)八段(33)と三浦も前期成績に基づく順位が上位のため、まだ昇級を狙える。最終13回戦で藤井と佐々木が対戦し、どちらかが2敗以上となるため、昇級争いは目の離せない状況だ。
一方、成績下位では松尾歩八段(41)が2勝目を挙げた。これで2勝6敗は4人、3勝5敗が1人。「鬼のすみか」と言われるこのクラスでは、実績のあるトップ棋士でも、伸び盛りの若手でも、ふるい落とされる。残留争いも厳しくなりそうだ。
情報源:1敗藤井・佐々木がリード 将棋名人戦B級1組順位戦、9回戦終了:朝日新聞デジタル
勇気は、屋敷九段と相性が悪いようで・・・
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中村太地七段、昇給に向けて全勝維持成るか?
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